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【ときメモ】ときめきメモリアルSS総合スレ

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0001名無しくん、、、好きです。。。
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2010/04/06(火) 20:03:17ID:5DqS8Q41
思いをぶちまけろ!
エロネタはエロパロで。
0280名無しくん、、、好きです。。。
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2010/10/05(火) 01:18:03ID:K4fTNr/a
「おいしい。ふふ、見た目は悪いのに」
「あっ、酷いな」
 そうは言うがカレも顔は笑っている。
「そうだな、きっと愛情がこもってるからかな?」
 思わずむせそうになってしまった。もう……キミはいつだって不意打ちなんだから。
「でもよかった。かなりよくなったみたいで」
「うん。キミの愛情のこもった看病のおかげかな。なーんてね」
 今度はカレがむせる番だった。
「えへへ。お返しだよ」

 それから二時間ほどして両親が帰ってきた。カレはそろそろ行くねと帰る準備をしている。
「ごめんね、今日はわたしのせいで。看病なんかさせちゃって」
 今日のデートを台無しにしてしまったことが申し訳なくて頭を下げる。
「気にして無いよ。そんな顔しないで。それに大事な人の看病をするは嫌じゃないしね」
 もう……キミはずるいな……そんなことさらっと言うんだから。
 でもねこのままじゃやっぱり申し訳なくて。だからお礼のかわりに、カレのほっぺたに……
 やっとキミの赤くなった顔見れたね。
 いつか……キミの唇もわたしがもらっていいのかな?



後書き
オンブイベントみて、脳内補完したもの。
初めて視点変えてみたけど効果があったのか微妙だなとw
0281うさぎさんのなく頃に
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2010/10/05(火) 20:18:31ID:cEY3PxNp

女性「あれあれ?都子ちゃんじゃないの?それに公四朗くんも。」
すっかり日の落ちた道を歩いていた所。聞き慣れた声に呼び止められた。

都子「あれ、近所のおばさん、こんばんは。」
公四朗「こんばんはー」
俺らの近所に住んでるおばさんだった。噂とお節介な世間話好きでこの近所では有名な人だ。

女性「どーもこんばんは。あら、今帰りかしら?」
都子「はい、おばさんはどうされたんですか?」

女性「いえちょっと買い忘れがあってねぇ…ダンナに行かせてもちっとも動かないから仕方なくねぇ…」
女性「でも…そちらは仲良しさんなのねぇ、ダンナが夕飯の荷物まで持ってくれるなんて…まったくウチのも見習ってもらいたいもんよ。」

最後のダンナ…とは、俺の事なんだろうか?やはり。

公四朗「いや…俺と都子はそんな…」
都子「そんな…そうですよ!たまたま荷物を持ってもらっただけで、別になんでもないですし…!」
女性「な〜に言ってんの!都子ちゃんたら小学校の頃はよく公四朗ちゃんのお嫁s」
都子「…おばさんっっ!!!」


……………。


場が凍る程の大きな声。
おばさんが言い終わるよりも、それ以上を続けさせぬよう、都子の声が強引に話を途切らせた……
0282うさぎさんのなく頃に
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2010/10/05(火) 20:29:21ID:cEY3PxNp
都子「あの…私と公四朗は別に何でもないですし、ただの幼なじみなだけです。それに、きっと私とそう思われるって事、公四朗も迷惑だろうから…すみません、失礼します。」
女性「…あ…あらやだ…!ごめんなさいねぇおばさんまーたやっちゃったみたいで…」それじゃ、またね!」

公四朗「…失礼します。おい、都子ー!」

おばさんに一礼し、無言で立ち去る都子、俺も軽く挨拶を済ませて後を追う。



…それから互いに家までは無言だった。

公四朗「都子…」
都子「…ごめんね、ありがとう。ここまでで良いよ…助かった。」
家の前で荷物を都子に渡す、

公四朗「都子。」
都子「なに…?」
公四朗「さっきの話だけど…あまり気にするなって、あのオバサン、いつもああなんだしさ?」

都子「うん…公四朗は優しいね…でも、優しすぎる…っ!」
公四朗「都子…?」
都子「…ううん、なんでもない。おやすみ、また…学校でね…」

公四朗「あ…おい…都子!」

バタン。


「あいつ…泣いてた?」

街灯に微かに照らされた都子の顔、その目には薄く涙で滲んでいた…気がした。
その顔が何故か頭に焼き付いて…いつまでも離れなかった。
0283名無しくん、、、好きです。。。
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2010/10/06(水) 00:06:53ID:cEY3PxNp
―――日記帳

偶然だった
校門でたまたま彼に会って…その日たまたま買い物の予定があって…

…買い物をしてる時は新婚みたいで楽しかった。私は今夜の夕飯の献立を考え、彼が買ったものを袋に詰めて持ってくれる。
…考えただけで踊り出したくなる未来だ。

でも、悲しくもあった。
彼の均等な優しさが、それを受け入れられない自分の弱さが、彼が他の女生徒と仲良しでいると言う事実が。

…分かっている、こんな一方的な嫉妬心、抱く方がどうかしてる。
そもそもこんな気持ちになるぐらいなら最初から彼に女生徒の連絡先など教えなければ良かった。
だから、今日のこの痛さも、全ては自業自得なんだ。

あの時…彼がおばさんの冗談だと分かっていても、違う反応をしたらどうだったろう。
…だめだ、こんな事思ったって…
そう頭では分かっている、分かっている…けど。



「ふぅ…」

文のまとまらない日記を書き終え、私はベッドに横になる

やはり彼にとって私はただの幼なじみなのだろうか…
明日、私はいつものように笑って彼の前に立てるだろうか…

答えのない疑問が頭の中でループする。
今日は寝苦しい夜になりそうだ…
0284名無しくん、、、好きです。。。
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2010/10/10(日) 08:00:11ID:74m60lym

……悪夢を見た

「はぁ…はぁ…っ!」
俺は何者かに追われ、ソイツはただ無言で俺の後をつきまとう。
行き止まりになり、ソイツと対峙する

「お前は…一体…っ」
ソイツはどこか見覚えのあるうさぎのぬいぐるみを被っていた。

うさぎ「セニョール、とぼけた事ヌカしてんじゃねーよ、メーーン!!!!!」

わけのわからない事を叫びながらソイツが鉄パイプを取り出す、どうやら俺とヤる気らしい

夢とは言えわけのわからない事でやられてたまるか。
だが、喧嘩もロクにした事の無い人間が凶人(凶兎?)相手に手も足も出るわけがなく、数分後には、ヤツは俺の上に馬乗りになっていた
そして、ヤツがトドメを刺すとき、ノイズの混じったような声でこう叫んだ

―セニョール…コレハケイコクダヨ…グググ…グアッハッハッハッハッ…!!!!ハアアアァァ!!!!!!―

何が警告だ…意味が分からない……こんな一方的な警告があるものか…
0285うさぎさんのなく頃に
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2010/10/10(日) 21:47:01ID:74m60lym
――うわああああああっっっ!!!!

大絶叫を上げてベッドから落ちる。
嫌な寝汗で服はびしょびしょだ、シャワーでも浴びよう。

―これはケイコクだよ…

夢で見たアイツの言葉が蘇る。
公四朗「…気にする事もないか」

首を振り、シャワールームへ向かう

………

頭を拭いて時間を確かめる…まだ登校時間には余裕があった
が、このまま部屋にいても気が滅入るだけだと思い、登校の準備をして学校へ向かう。

家を出てふと隣の都子の家を見る。
都子のやつ、もう学校に向かったのだろうか…?そんな事を考えながら、通学路を歩いていた。
0286名無しくん、、、好きです。。。
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2010/10/12(火) 22:47:01ID:YxXjTh/0
―――きらめき高校

声「先生おはよーっす!!」
生徒の一人が挨拶をする…が、ここで言う『先生』とは教師の事ではなく、俺のあだ名の事だそして俺の事をそのあだ名で呼ぶ生徒には一人しかいなかった

公四朗「やあ瑠依ちゃん、おはよう。」
俺の友達、七河正志の双子の姉の七河瑠依ちゃんだった
正志に劣らない美顔…ではあるが、正志とは真逆の明るい女の子だ

瑠依「しーっ!ダメっすよ〜。ここでは正志!」
公四朗「大丈夫だって、現に今生徒ほとんどいないしさ、それよか珍しいね?瑠依ちゃんがこんなに朝早くから登校なんて」
瑠依「いやー、ネトゲの狩りが終わってたら朝日がね〜、だからもう徹夜明けっすよ、あははははw」

確かに、彼女の軽く充血してる目の下にはクマがあった

瑠依「まぁ、授業中に寝るからいいんですけどねぇ、…だからノート貸してくれるとうれしいな〜、なんてw」
公四朗「まぁ、俺がノート取ってたらね、俺も少し眠いし…」
瑠依「そーいえばキミも早起きだよね?もしかして徹夜明け?」

夢の内容を話すべきか話すまいか…一瞬考えたが、このまま引きずっても仕方がない。
話す事で気分が変わるのなら、話した方が良いかと思い、俺は昨夜見た夢の内容を話す事にした…

公四朗「実はさ…」
0287うさぎさんのなく頃に
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2010/10/12(火) 23:14:57ID:YxXjTh/0
――――

瑠依「…それ、新作のサウンドノベルゲームのネタ?」
公四朗「はい?」
瑠依「いやいや、ごめんごめん。」
公四朗「いや、こっちこそごめん、なんて答えたら良いのか分からないよね?」

瑠依「ん〜…まぁ、あでも、物を長く愛用する内に持ち主の強い想いが物に宿り、自我を持つっていうネタはわりかし色んなアニメやゲームに使われるよね?」

公四朗「…まあ確かに、そんなネタの漫画を見た事があるよーな…」
瑠依「ん〜、公四朗くんさ、そのウサギのぬいぐるみの持ち主に心当たりってない?」

確かにずっと引っ掛かっていた、あのぬいぐるみ…俺は確かに見覚えがある。
見ているハズなのに思い出せない、もどかしさが胸を締め付ける感覚がした

瑠依「私のヲタ知識をフル活用した見解をすると…そのぬいぐるみの持ち主が、公四朗くんを酷く憎んでいるか〜」

探偵のように指を顎に当て、さらりと恐い事を言う。
瑠依「あるいは、公四朗くんを守ろうとしているかのどっちかと。…あ、けど私だって恐い夢を見る時あるし、あまり過敏に考える必要ないと思いますよ?」

…守る、か
警告とは、そもそもより恐ろしい事態を回避させる為に、あえて恐怖感によってそれを訴える行為だ。ただ、理屈は分かっても俺が誰かに何かをしてしまったのか、あるいは誰かが俺に何かをする事を意味するのかまでは分からなかった
が、心のもやが少し晴れた感じは、確かにした

公四朗「瑠依ちゃんありがとう、少し気が楽になったかも。」
瑠依「そ?ならよかった、あ、私調べ物があるからまたね〜。」
言って図書室へ向かう瑠依ちゃんに手を振り、俺は教室へ向かう事にした
0288うさぎさんのなく頃に
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2010/10/19(火) 21:58:59ID:3vi807Bs
―――教室前廊下

星川「公四朗くん、おはよー!!」
公四朗「やあ星川さん、おはよう…って、どうしたのその荷物?」
星川「いやあ、生徒会の資料でちょっとね、あはは…っ!?」

ビュウウウ!

と、換気の為に全開だった廊下の窓から突風が吹き、星川さんの腕にあった20〜30枚程度の資料プリントが廊下に撒き散らされる。

パサササササ…

星川「ああ〜!ま…待ってええーー!!」
星川さんが風に煽られたプリントを追い掛けた、成り行きの一部始終を見た俺としもこの流れは手伝うのが当然だった。


―――数分後

公四朗「…ふう、これで全部かな?」
星川「えと…ひぃふぅみ……うん、全部あるね。あの…ありがとう、ごめんね?私のドジのせいで…」
公四朗「ううん、大丈夫大丈夫、それよかこれ、生徒会室に持って行くんだろ?よかったら手伝うよ。」
星川「ありがとうー。うふふ、優しいんだね、公四朗くんは。」

優しい…か…、星川さんのその言葉で、昨日都子にも同じ事を言われたのを思い出していた。
0290SS初挑戦
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2010/11/03(水) 01:47:50ID:MQ10yK56

「こんなに暗くなっちゃもう無理だよ。それに寒いし・・・。明るくなってからもう一回探そう」
10分おきに言うたびに都子から返ってくる返事は同じだった。
「絶対に見つかるもん・・・見つかるまで探す・・・」
自分に言い聞かせるようにブツブツとつぶやきながら都子は虚ろな表情で芝生の上を這いずり回っている。

そのたびに気圧されてきたものの、付き合うのももう限界だった。 時刻はとっくに7時を回り、河川敷公園へ乗り入れる
車両用ゲートも閉鎖された。もちろん陽はとっくに落ち、頼りになるのは堤防の外にあるマンションの灯りと、
川を渡る高速道路のオレンジ色のライトだけだ。こんな状態ではタダでさえ小さいボタンなど見つかるわけがない。

それでも都子は放っておけば夜通しここでボタン探すと言い出しかねなかった。 こんな状態では置いていくわけにも
いかない。 親に知られるのは嫌だったが、時間も時間だし連絡を取らないと大騒ぎになりかねない。
塾に通っているのなら9時10時の帰宅は当たり前だろうが、二人とも塾には通っていないのだ。部活動で遅くなる時には
連絡しているし、連絡もないのにこんなに遅く帰宅するのは自分はもちろん都子もあるはずなかった。
携帯電話を取り出して電源を入れ、ディスプレイが光った時に思わず舌打ちした。これが懐中電灯代わりになるのに
自分も都子もそんなことにすら気付かなかったのだ。
 
自宅の番号を呼び出そうとしていると、無遠慮に懐中電灯の光を向けらからだ。

「おい、そこで何をしている」

声の主は警察官だった。最近の警官は防犯登録の番号を聞く時にでも穏やかな声かけをするものだが、
こちらを怪しんでいるのか口調は高圧的だった。 

「いやあ、ちょっと落し物をしまして・・・」 

「ん、財布か?家の鍵か何かか?」

「いえ、大したものではないんですが、なにぶん思い入れのあるものだったもので・・・」

「それなら仕方ないが君等は高校生だろう。 今何時だと思っとるんだ。探しものなら明るくなってからにしなさい。
女の子もいるんだからさっさと帰りなさい」
0291名無しくん、、、好きです。。。
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2010/11/03(水) 01:55:52ID:MQ10yK56
問答無用と言わんばかりの態度だったが、今はそれもありがたかった。 この警察官にボタン云々を言ったところで
撥ね付けられるだけの事になるのは間違いのないところだし、それは都子にしても判っているようだった。 
都子はうつむいて不貞腐れたような表情のまま一言も発しなかった。

「な。都子、お巡りさんも言ってるし今日のところは帰ろう、な」

「…………わかった」

「お前も男なら彼女をちゃんと家まで送っていくんだぞ」 
高圧的な上に、一人合点しておせっかいを焼くタイプなようだ。

「どうも、ご心配おかけしました」
軽く会釈して河川敷公園を後にしたが、都子は恨みがましい表情のまま何度か自転車を引いた警察官のほうを
振り返っていた。 こいつさえいなければ探すのを邪魔されなかったのにと言わんばかりで。

案の定というか、河川敷公園近くの商店街に入ったところで都子は立ち止まってチラチラと後ろを振り返りだした。
あの警官はもういないだろうからまた舞い戻って探すと言い出しかねない雰囲気だった。 もう引っ張ってでも連れて帰るしかないな。

「ほら、何やってんだよ都子、帰るぞ」
手首を掴んだつもりだったが、都子が後ずさったので手元が狂い、手を繋ぐ形になった。

都子は手を振りほどこうとしたが、その力は弱々しいものだった。
本気でないのか、本当に力が出ないのか。 まあ、こっちは高校に入ってからとはいえ全国大会に出るような強豪高の
部活で滅茶苦茶しごかれているのだ、簡単には振りほどけないだろう。
都子と仲のいい女子サッカー部の色黒のちっさいの・・・前田と言ったっけ。男子顔負けのあれが相手だとちょっと判らないが。

「あ…嫌…手……離して…」
ちょっと強く握りすぎたかな。 少し力を抜いたが、今度は都子のほうが強く握ってきた。
「…ううん…離しちゃ………ダメ…」

俯きながら言った闇子の頬は何故か真っ赤だった。別に赤くなることないと思うがどうしたんだろう。
それにしても都子と手を繋いで歩くなんて何年ぶりなのかな。 
0292縁日にて
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2010/11/14(日) 05:25:33ID:i+q5GObG

主 「え?片桐さん来れないの?」
藤崎「ええ、ちょっと都合が合わなかったみたい」
好雄「あちゃぁ、ダブルデートのつもりだったんだがな」
主 「しょうがないさ。三人で楽しもうぜ」
藤崎「ふふ、そうね」
主 「そういえば詩織、浴衣できたんだね。似合ってるよ」
藤崎「えっ、ありがとう。久しぶりに着たからちょっと恥ずかしかったんだけど・・」
好雄「・・なんだか早くもお邪魔虫じゃないか俺?」
主 「はは、そんなことないって」
藤崎「そ、そうよ。好雄君も浴衣、素敵よ」
好雄「おっ、さんきゅ!やっぱ縁日といったら浴衣だよな」
主 「おいおい、早速仕返しか?俺も着てくればよかったよ」
藤崎「うふふ。ね、出店を見て回りましょうよ」
好雄「おう、行こうぜ!」
・・・・・・
主 「おい好雄、張り切りすぎだろ」
好雄「おまえ馬鹿だなぁ、せっかくの祭りなんだから張り切らないでどうすんだよ」
藤崎「そうね。今日ぐらい、私も思い切って遊んじゃおうかな」
好雄「さっすが藤崎さん。うっしゃ、そうとなりゃどんどんいこうぜ!お!よし今度はあいつだ!」
主 「ん?あ〜、射的か」
好雄「好雄様の腕前見せてやるぜ!」
藤崎「私もやってみようかな」

0293縁日にて
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2010/11/14(日) 05:27:04ID:i+q5GObG
・・・
スコンッ
テキ屋「あちゃ〜、残念!」
藤崎 「難しいのねぇ・・」
テキ屋「おねぇちゃん、あいつが欲しかったのかい?」
藤崎 「え?ええ」
主  「(これは・・お譲ちゃん可愛いからサービスってやつか?)
テキ屋「うん、あいつだとよ」
主  「え?」
テキ屋「なんだなんだ兄ちゃんら、とってやるんじゃねえのかい?」
主  「(そ、そうきたか・・)」
好雄 「うし!そうとなりゃ俺がとってやるぜ!おっちゃん一回ね!」
テキ屋「よぅしそうこなきゃ。がんばんなよ」
好雄 「んー・・うりゃ」
バスッ!
藤崎 「わ、好雄君すごい!」
好雄 「へへっ、どんなもんだい!」
テキ屋「こりゃまいったな。はいよお姉ちゃん、よかったな」
藤崎 「え・・いいの好雄君?」
好雄 「ん?おう、そりゃ藤崎さんのためにとったんだからな!」
藤崎 「そんな・・ありがとう好雄君」
主  「なんか悔しいな。おじさん、俺も一回」
テキ屋「はっは。はいよ。おねぇちゃんこんどはどいつが欲しいんだい?」
藤崎 「え、ええっ?///」




0294縁日にて
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2010/11/14(日) 05:52:21ID:i+q5GObG
・・・
藤崎 「すごいのね好雄君」
好雄 「どんなもんだいってか!よし、今度はあの大物を・・」
パスッ
好雄 「あ、ありゃあ?おっちゃん、今当たったよな?」
テキ屋「あ〜、ダメダメ。当たったって落とさなきゃ」
好雄 「ちぇっ。まぁいいや、もういっか・・」
バスッ
好雄 「ぬあ!」
テキ屋「おっ、やるねぇ姉ちゃん。はいよ」
???「へっへ〜ん、ありがと」
好雄 「ねぇちゃんって・・ああ!」
???「ん?な〜んだ、冴えない男がいると思ったら」
主  「朝日奈さん」
朝日奈「あれ?・・あんたいくら自分がモテないからって、とうとう人の邪魔するようになったわけ?」
好雄 「んなっ!ば、馬鹿言え!俺たちゃ三人で仲良く遊んでんの!」
朝日奈「ふ〜ん、別にいいけど」
藤崎 「朝日奈さんは誰ときたの?」
朝日奈「それがさぁ、今日一緒にくるはずだった子にドタキャンされちゃって〜、しょうがないから一人ってわけ」
好雄 「な〜んだ、偉そうなこといいやがって。お、なんなら一緒に回ってやろうか?」
朝日奈「なっ、なによその言い方最っ低!」
主  「まあまあ・・。せっかくなんだから一緒に行こうよ」
藤崎 「ええ。よかったら一緒にいきましょう?」
朝日奈「まぁ、別にいいけど」
好雄 「相変わらずかわいくねぇ言い方しやがるぜ」
朝日奈「は?なんかいった?」
好雄 「なんでもねぇよ!」
0295縁日にて
垢版 |
2010/11/14(日) 06:35:03ID:i+q5GObG
藤崎 「相変わらず仲がいいのね」
朝日奈「全然そんなことないって」
好雄 「ああほんと、うるさくってかなわねぇや」
朝日奈「なんですって!」
藤崎 「うふふ」
主  「お、金魚すくいやらないか?」
好雄 「よしやろうぜ。好雄様の腕前・・」
主  「お前そればっかだな」
・・・
藤崎 「あ、やったわ!」
好雄 「おっ、藤崎さんやるな!それに比べて・・」
朝日奈「なっ、なによ!たまたま失敗しただけでしょ!あたし金魚すくいチョーうまいんだかんね!」
好雄 「はいはい。中学ん時一匹もすくえなかったくせによく言うよ」
朝日奈「あ、あったまきた!じゃあ勝負しようじゃない!」
好雄 「おーいいとも。じゃあ負けた方が勝った方の言うこと聞くってのはどうだ?」
朝日奈「えーいいわよ!」
主  「なんか盛り上がってるな」
藤崎 「本当ね。誘ってよかったわ」
ボチャッ
好雄 「げっ!」
朝日奈「ええ〜、もうおしまいなわけぇ?」
好雄 「ばっ、い、今のは違うって!まだスタートって言ってないだろ!」
朝日奈「はいはい。特別許してあげようじゃない」
好雄 「くっそ〜、いちいち腹立つ奴だな」
0296縁日にて
垢版 |
2010/11/14(日) 06:54:28ID:i+q5GObG
・・・
主  「(確かに二人ともうまいけど・・まだやるのか?)」
朝日奈「あっ!」
好雄 「お?なんだおしまいか?」
朝日奈「ちょっと待ちなさいよ!あんたそれ4回目でしょ!あたしまだ3回なんだから!おじさんもう一回!」
主  「なあ、そろそろ花火始まるんじゃないか?」
朝日奈「えーちょっと待ってよ!」
好雄 「わりぃ!先行って場所とっててくれ!後からいくからよ」
藤崎 「そうねぇ。それじゃ、先に行って待ってるわね」
主  「え?詩織、ちょっと」
・・・
主  「やっぱり待ってたほうがよかったんじゃないか?」
藤崎 「大丈夫よ。あ、私とふたりじゃ嫌だった?」
主  「い、いや、そんなことはないけど・・」
藤崎 「あの二人って、小さい頃から一緒だったのかな?」
主  「え?中学が一緒だったとは聞いたけど・・。どうなんだろう」
藤崎 「本当に仲良しよね。少し、羨ましい」
主  「えっと・・」
藤崎 「あ、ごめんなさい。えっと、私が言いたかったのは・・。ごめんなさい」
主  「うーん、よくわからないんだけど・・」
藤崎 「あの、私あなたに普段ひどい事言ったりしてないかしら?」
主  「うーん・・なんで?」
藤崎 「・・ううん、なんでもないの」
主  「いや、なにがなんだかわからないんだけど」
藤崎 「ふふ。あ、そうだわ。こんど、一緒に中央公園に行かない?」
主  「え?いいけど・・珍しいね、詩織から誘ってくれるなんて」
藤崎 「えっと、もしかして迷惑だった?」
主  「まさか。嬉しいよ」
藤崎 「よかった。ありがとう」
0297縁日にて
垢版 |
2010/11/14(日) 07:18:40ID:i+q5GObG
・・・
好雄 「なぁ、もういいだろ」
朝日奈「あー!もう!ありえない!」
テキ屋「ははは。ついに降参かい」
好雄 「あ、そうだおっちゃん、これ、すくった金魚返すよ」
テキ屋「えぇ、いいのかい?」
好雄 「さすがにこんなに飼えないからさ」
朝日奈「あー、あたしも・・あ、やっぱり二匹だけちょうだい!」
テキ屋「あいよ。じゃあ、彼氏がすくったほうから二匹ね!ははは!」
朝日奈「なっ!ちがうちがう!ありえないから!」
好雄 「そこまでいやそうにしなくてもいいだろ・・」
・・・
朝日奈「元気に育てよ〜」
好雄 「ちゃんと面倒みてやれよな」
朝日奈「わかってるわよ。あの時もらったのはすぐに死んじゃったけど、今度は大丈夫だって」
好雄 「・・・?」
朝日奈「なによ、あんた、覚えてないの?」
好雄 「え?俺?」
朝日奈「あっきれた!昔あたしに金魚くれたじゃない。すくったけど飼うのめんどくさいとかいってさ」
好雄 「あー、そういやそんなことあったっけな」
朝日奈「別にいいけどさ」
好雄 「なんだよ、んじゃいちいち怒んなよな」
朝日奈「別に怒ってないわよ」
好雄 「別に別にって、そればっかだな。っと、そういやあいつらどのへんにいるんだろ?」
朝日奈「見つかんないように隠れてるんでしょ。迷惑な勘違いしてくれちゃってさ〜」
好雄 「おまえなぁ・・。まぁいいや、一応見てこうぜ」
朝日奈「・・。そうねぇ、ま、別にいいけど」
好雄 「あ、そーいや俺のいうこと聞いてくれるんだっけ」
朝日奈「あんた・・そーいうことはちゃんと覚えてんのね。いっとくけど!えっちぃのはダメだかんね!」
好雄 「わ、わーってるよ!」
0298縁日にて
垢版 |
2010/11/14(日) 07:35:38ID:i+q5GObG
後日

片桐 「あ、それじゃアイスティーで。・・・ふぅ〜ん、それで?ちょっとは自然になれたわけ?」
藤崎 「うん・・だといいんだけど」
片桐 「Take it easy,難しく考えすぎよ。普通にしてれば周りだってそこまで冷やかしたりしないんじゃないかしら?」
藤崎 「そうかしら」
片桐 「そうよ。・・What!?藤崎さんゴメン、すぐ戻るから!」

好雄 「・・・」
朝日奈「・・・ちょっと、なんか喋りなさいよ」
好雄 「あ〜、おう。うっ!」
片桐 「ひゅ〜ひゅ〜!」
朝日奈「ちょっ、ちがっ!///」
藤崎 「・・・・・」

おしまい

0299名無しくん、、、好きです。。。
垢版 |
2010/11/14(日) 07:47:58ID:i+q5GObG
割り込み失礼でお邪魔しました。
自分の書くものでは基本皆仲良し設定なもんで、そこについてはご容赦くださいませ。
あー外が明るい・・・。ではではノシ
0301名無しくん、、、好きです。。。
垢版 |
2010/11/17(水) 01:41:03ID:qeEA1hpb
>>299
乙です。

勝手ですが誰かエリサをお願いします。
0303名無しくん、、、好きです。。。
垢版 |
2010/11/17(水) 22:42:51ID:qeEA1hpb
>>302
やっぱりそうですよね・・・
0307名無しくん、、、好きです。。。
垢版 |
2010/11/24(水) 00:25:37ID:/nKw/fHq
この前エリサのssを人に託しましたが思い直し、もし需要があるなら自分で書いてみようと思います。
書く場合は初めてなので稚拙な文章になると思いますが、そこは勘弁してください。
0309名無しくん、、、好きです。。。
垢版 |
2010/11/27(土) 01:40:49ID:pPiGejdy
>>307で予告したエリサのssを投下します。

「初恋の布石」

ーー今日の部活も楽しかったっちゃねぇ・・・

見た目は外国人だがれっきとした日本人であり、中身は誰よりも大和撫子というちょっと複雑な生まれの女子高生、エリサ・D・鳴瀬は河川敷を歩きながら先ほどの剣道部での出来事を思い出していた。

ーーあの人もかなり上手くなってきたっちゃねぇ、この分だと次の練習試合は期待できそうだっちゃ。

今日の手合わせではかなりの本気を出して戦ったが自分の必勝パターンとも言える連撃を使わなければいけないところまで追いつめられてしまった。だがあの人はその連撃をかわしきってしまった!!その後あの人は派手にころんでしまったのだが・・・
そのことを思い出すとついほころんでしまう。

「な〜に笑ってるの?エリリン」

急に問いかけられて驚きながら横を向くと親友の柳冨美子がいた。

「ふ、ふーちゃん!?いつからそこにいるんだべ!?」
「追いついたのはついさっきだけど、それまでに後ろから何度も呼んでたよ」
と頬をふくらませながらふーちゃんは答えた
0310名無しくん、、、好きです。。。
垢版 |
2010/11/27(土) 01:48:29ID:pPiGejdy
すいません。手違いで続きをすべて消してしまいました。なんとか書き直すのでそれまで待っていて下さい。
0311名無しくん、、、好きです。。。
垢版 |
2010/11/28(日) 01:34:58ID:cy0B2UXM
 高見「あれ?君一人で何してるの?」
女の子「………」
 高見「お父さんかお母さんは?」
女の子「………」
 高見「…迷子かな…どこかで見たことあるような…お家は近いの?」
女の子「………うん」
 高見「じゃあ送ってってあげるから行こう」
女の子「…いっしょにかえってともだちにうわさとかされるとはずかしーし」
 高見「えっ!?」
 詩織「お待たせ」
 高見「うわ!!」
 詩織「うん?どうかしたの?」
 高見「いや、なんか昔の嫌な思い出が…」
 詩織「ふーん……あれ?優ちゃん?なんでここに?」
  優「おねえちゃん!」
 高見「おねえちゃん!?」
 詩織「ああ、この子?従妹の皐月優ちゃん」
 高見「ああ、なるほど…どうりで…」
 詩織「また迷子になったのね。ほら、自己紹介して」
  優「みなさんはじめまして。なまえはさつきゆうです。
    しゅみはおんがくかんしょうで、くらしっくとかを
    よくききます。みなさんこれから、よろしくおねがいします」
 詩織「はい、よくできましたー」
 高見「………」
0312名無しくん、、、好きです。。
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2010/11/28(日) 19:03:18ID:cPIkbiW+
やっと書き直せました。遅くなりましたが続きを投下します。 


「すまね、ふーちゃん。ちょっと考えごとしてたんだっちゃ」
素直に謝ると、ふーちゃんはすぐに笑顔になり
「そんなに怒ってないからだいじょ〜ぶだよ〜」
と言ってくれた。

「で、さっきはなんで笑ってたの〜?」
「別に今日の部活のことだっちゃ?」
「あ〜なるほど〜。○○くんのこと考えてたからエリリン笑ってたんだ〜」
とふーちゃんは妙に納得した顔でうなずいた。

「!?、別にそんなことねぇっちゃ!!」
なぜか頬が熱っぽくなるのを感じながら否定するが
「そーいえば○○くんも剣道部だっけ。いや〜○○くんは勉強もできるし、かっこいいし、スポーツ万能だしね〜。エリリンがそういう気持ちになるのも無理ないよ、うんうん」
ふーちゃんは聞く耳を持たずに一人で話を進めている。
「話を聞いてくれっちゃ、ふーちゃん!!ちゃんと違うって言ってるべ!!それにそんな気持ちってなんだべ!!」
語気が荒くなるのを感じた。
「エリリンそんなに怒らなくても〜」
「怒ってねぇっちゃ!!!」
心の隅では自分のしていることが子供みたいだと思っているが、口からはなぜか正反対の言葉が出てくる。
0313名無しくん、、、好きです。。。
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2010/11/28(日) 19:13:01ID:cPIkbiW+
「あ〜ん、ごめんなさい〜。エリリン怒らないで〜」
ついにはふーちゃんが泣きそうな顔になってしまった。

「あ・・・す、すまね言い過ぎたっちゃ。本当にすまね」
さすがにふーちゃんのそんな顔を見るとすぐに冷静になり、謝った。
「ううん、あたしもからかい過ぎちゃったから・・・。ほんと〜にごめんね〜」
「じゃあこれでおあいこってことにするべ」
「うんわかった、これでこの話はお〜しまいっ。あっそういえば駅前の甘味所に新しく黒蜜寒天が出たんだ〜。いっしょに行かない?」
「もちろん行くべ。そいじゃレッツゴーだべ!」
「おー!」
そう言ってあたし達は一緒に歩きだした。



0314名無しくん、、、好きです。。。
垢版 |
2010/11/28(日) 19:41:20ID:cPIkbiW+
ーーそういえばどしてあんなこと言ってしまったんたべ?

歩きながら先ほどのことを思い出していた・・・

ーー別に怒るほどのことでもなかったっちゃ。なのにどして・・・

「どうしたの?エリリン」
急に歩幅が狭くなったあたしを心配するようにふーちゃんが聞く。
「ううん、なんでもないっちゃ」
「そう?それならいいけど・・・」
そしてまた歩きだし、甘味所に着いた頃にはもうそんな気持ちは忘れていた。




ーーこの気持ちを思い出し、答えに気付くのはもう少し後のことである・・・・だっちゃ。

(終)
0315名無しくん、、、好きです。。。
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2010/11/28(日) 19:50:00ID:cPIkbiW+
<あとがき>

途中アクシデントがありましたがなんとか書き終わりました。
初めてssを書いてみて自分の文章力の無さに悲しくなりましたorz
エリサの仙台弁に間違いがあるかも(たぶんあります)しれませんが、見逃して下さい。

でも書いていて楽しかったのでもしかしたらまた書くかもしれません。
そのときはよろしくおねがいします。
0317需要あるかどうかわかんないけど語堂さんSS
垢版 |
2010/12/05(日) 19:13:41ID:y/zx8Nyi
RRR・・・・

「はい、もしもし。 屋敷です」

「オ ・ レ ・ だ 」

「ああ、古賀先生。 昼間顔色悪かったみたいですが、大丈夫ですか?」

「お前判ってて言ってんだろ? 俺がああいうの大の苦手だって・・・。」

  *  *  *

 今年の夏、俺たちは甲子園出場を果たした。 そして、甲子園でも強豪校の不調や悪天候の泥仕合に助けられ、
あれよあれよという間に決勝進出・・・ついに全国の頂点まで駆け上がってしまった。
文武両道で鳴らし、個人競技では何度かスターを輩出しているきらめき高校といえども、甲子園出場、
当然の事ながら優勝は初の快挙だった。
 
 が、優勝した自分たちを待っていたのは、練習漬けのこれまでよりはるかに疲れる日々だった。
ハードな練習の疲労は食事をかきこんで寝てしまえば抜けてしまうものだったが、理事長、市庁、県庁
への報告会だとか、チームの父兄や応援団の遠征費を援助してくれた人々へのお礼の挨拶回りなど、
高校生の自分達にはうんざりするものでしかなかった。

 顧問の古賀先生もそれは同じ事で、そもそも学校の理事長である伊集院家のパーティーにイモジャー着用に
酒気帯びで入ろうとして門番につまみ出されたような人である。日に日にストレスが溜まっていくのは当然の
話だろう。

伊集院理事長の音頭取りで行われた祝勝会では、そうそうたるお偉方の手前、 
「采配に迷ったときにはチンチロリンで決めました」とぶっちゃける訳にもいかず、せっかくの料理にも手を
付ける暇もなく質問攻めに合い、ずっと青い顔をしていたのだった。
0318需要あるかどうかわかんないけど語堂さんSS
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2010/12/05(日) 19:35:42ID:y/zx8Nyi
「まったくよぉ、余った料理持って帰ろうと思ってタッパーまで用意してたのに、ほとんど食う余裕無かったじゃないか」

「先生みっともない真似やめてくださいよ」

「うるさい。 でだな、ああいう堅苦しいのじゃなくてな、部員とマネだけで内輪の祝勝会やらんか?臨時ボーナス出たから
半分ぐらいは俺が持つからよ。 今度の土曜なら練習の後全員参加するしだろうしな」

「いいですね。 30人くらい入れるところだと・・・中央駅前のピザハウスでも予約しますか?」

「ピザは勘弁してくれ。スーパーの100円冷凍ピザで食い飽きてる。 それにハメ外してるところ
見られて新聞に叩かれたりするのも何だしな。 部室に出前でも頼んでやろうと思ってるんだが?」

「酒飲むのもタバコ吸うのもうちの部にはいませんよ。だれがそんなハメ外すんですか」

「俺が外したいの。  ま、それはそれとして、なんか皆でつまめるような食い物の出前はおまえが探しとけ。
飲み物やスナックの類は業務用スーパー行って仕入れて来い。領収書は忘れるなよ。 」

「は?先生車出してくれないんですか?」

「持ってねえよ。 これもトレーニングの一環だ。自転車で行って来い。あとな、氷はいらんぞ。化学実験室にでっかい
製氷機あるからそこでかっぱらえばいい」

「はいはい、じゃ、部員にメール回しときますね。 出前はサンドイッチとかパスタみたいなもんでいいですか?」

「ピザ以外だったら何でもいいからお前に任すよ」

「はい、では」
0319需要あるかどうかわかんないけど語堂さんSS
垢版 |
2010/12/05(日) 20:03:51ID:y/zx8Nyi
・・・やれやれ。 でも言われてみたらそうだな。
みんなが集まってリラックスして飲み食いする機会なんてあの後ずっと無かったし、ヘタに生徒だけで
どこかの店で集まって、アルコールでも入れて余計なトラブル抱えるよりいいかもしれないな。
普段は放任のようだが、生徒より先回りして暴走してこちらにブレーキを踏ませてしまう古賀先生はあれで
優秀な教師なのかもしれない。

 とはいえ、今度の土曜だとそんなに余裕は無い。一斉送信で部員にメールを送ったら、心当たりの番号に早速
電話を入れよう。

    *    *    * 

「もしもし。 語堂ですけど」

「あ、もしもし、語堂さん?屋敷だけど、今ちょっといい?」

「あーら。 ラッキーボーイが何か用?」

「それ勘弁してくれよ。運だけで勝ったみたいじゃないか」

打率2割7分4厘、なのにチャンスには打順が回ってきて大会最多の13打点を上げた自分に付けられた称号・・・・
正直あまりうれしくないが、彼女はこうやってピンポイントで急所を突く物言いをする。

「別に間違ってないでしょ。 いま本読んでたとこなんだから用事なら早くしてよね」

「語堂さんちのお店さ、サンドイッチとか出してるけど、デリバリーもできる?」

「ええ、普段あまり注文は無いけどやってるわよ。 パスタとか、オードブルとか、汁物じゃなければOK。
あ、でも急には無理よ 3日前には予約してもらわないと」

「ん、じゃあ頼む事にしようかな。今度の土曜だけどいろいろ合わせて30人分ね」

「え?またすごい量ね ゴリラにでも食べさせるわけ?」
0320需要あるかどうかわかんないけど語堂さんSS
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2010/12/05(日) 20:28:41ID:y/zx8Nyi
またこれだ。だが、これにイラついていると彼女の相手はままならない。

「はっは。 まあ間違ってないかもな。 育ち盛りの高校生運動部員が30人だからな。 
時間は夕方五時ごろ。 配達先はきらめき運動部サークル棟でね」

「ふーん、祝勝会でもやるんだ。 ま、野球部さんにはいつもご利用いただいてますからね、
腕によりをかけて作らせてもらいますわ。食中毒怖いから、クラブハウスサンドとナポリタン、
あとはクラッカーのオードブルかなんかでいいわね?」

「え・・・語堂さんが作るの?大丈夫?」
彼女が結構料理が上手いのは2年の移動教室のときの飯盒炊爨で知っていたが、こちらも言われっ放しという訳にはいかない。

「言ったわね・・・。 言っとくけど、あたしもう調理師免許まで持ってるんだからね」

「マジ? うへー。参りました。じゃ、よろしくお願いします。 あ、あともうひとつお願いがあったんだけど・・・
ま、それはまた今度にするわ」

「何?なんかあるならハッキリ言えば?」

「いや、じゃあね。お休み」

一点取り返したと思ったら、次の回に直ぐに3点取り返されたような気分だった。
彼女と話すといつもこんな感じだが、このやりとりを楽しんでいる自分に気付いたのはいつごろだろうか。

   *   *   *

語堂つぐみ・・・きらめき高校文芸部の部長。なにかと険のある物言いで運動部に限らず苦手にしている男は多い。
ちょっと抜けてるところがあって、先代とは違って親しまれている生徒会長の星川の親友という事だったが、
いつもついて回って言い寄る輩を威嚇してるとかまことしやかに伝えられている。

自分は二年のときにクラスメイトになたのだが、口の悪い男子生徒で共有されていた仇名が「メガネハリネズミ」だった。
0321名無しくん、、、好きです。。。
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2010/12/05(日) 21:09:29ID:y/zx8Nyi
 そして、初対面の印象は―――最悪。 
自分も例に漏れずあの険のある物言いに突き刺され、イラつかされた口だ。

 ただ、クラスメイトとしてしばらく角を突き合わせているうち、少しずつ聞いていた話と違った面を
知り、当初の悪い印象は変わっていった。

彼女はいわゆる試験でいい点を取るためだけの「ガリ勉」タイプではなく、純粋に本や知識の吸収を楽しんでいること、
彼女が軽蔑してやまないのは、運動ができるというだけで出来ない人間を小馬鹿にしたり、運動以外の
知識などに何の価値も認めず、エロ話ばかりしていたりする人間というだけであって、こちらが彼女の世界に
それなりの敬意を払って臨めば彼女もそれなりの対応をしてくれるということ・・・・。

もっとも、それも中央図書館でバッタリ遭う事が無ければ知ることもなかったのだろうが。

  
0323名無しくん、、、好きです。。。
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2010/12/08(水) 21:27:06ID:WHaBqMB3
Web小説中心のスレ

arcadiaを語るスレ51
http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/bookall/1291301189/
ToHeart2 SS専用スレ 28
http://set.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1262253363/
葉鍵SSについて語るスレ
http://set.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1203051297/
葉鍵的 SS コンペスレ 19
http://set.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1198815736/
◎ 同人誌の小説 32冊目 ◎
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/2chbook/1289907543/
【読み手】同人小説を語る【書き手】
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/doujin/1252937999/
こんなSSがどうしても読んでみたい
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1281253478/
二次創作総合スレ
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282482997/
0324需要あるかどうかわかんないけど語堂さんSS
垢版 |
2010/12/16(木) 11:08:56ID:eZSMcIxu
 5月下旬のある日、中央図書館へ出かけた。
予定されていた練習試合が中止になり時間が空いたので、気になっていた
絶版の推理小説を探しに行ったのだが、蔵書検索端末のところで鉢合わせたのが語堂だった。 
彼女は珍種の昆虫でも見つけたような表情で目を瞬かせていた。
 
学校の図書館では、あまり真面目でないタイプの生徒が裸婦の載った美術書をネタに騒いだりすると、
露骨に顔をしかめ、ここはお前達の来るところではないといった表情で睥睨し、極めつける。
「ちょっと。 悪いけど、静かにしてくれない?」

 彼女にとって学校の図書館は自分のテリトリーのようなもので、不真面目な生徒は縄張りを荒らす
敵でしかないのだろう。 一方こちらの中央図書館は学校とは違って不真面目な人間などは最初から
来る筈もない、リラックスできる場所だ。 で、其処に現れたのはスポーツバカ(と彼女は思っているはず)
の自分である。 縄張りを荒らしに来たというより、群れからはぐれて知らないところに迷い込んだ動物…
そう思ったのか、何時もの険がなく、ガードが下がっている感じがした。


「あら。 珍しいところであうものね。何か探してるの?」
何時もなら保健体育の本はあっちなど憎まれ口をたたくはずだ。
0325需要あるかどうかわかんないけど語堂さんSS
垢版 |
2010/12/16(木) 11:09:43ID:eZSMcIxu
「ああ、絶版になった推理小説でね。古本屋には見当たらないないし、アマゾンで探そうにもクレジットカードなんか
持ってないしね」

「ふうん。誰?」

「陳舜臣。 歴史小説の人だけどね。昔は推理小説書いてたんだ。」

「ああ。世界史の副読本の。『阿片戦争』の人?」

「そう。 それでなんとなく読み始めたんだけど、一冊だけ古本屋にあったのが面白くてね。トリックというか
ギミックが斬新でさ。アリバイ工作に寒天使ったりするわけよ。ホント発想がすげーんだわ」

「へー。 それで、さらに探しにここまでね。 意外だわ」

「なに? 野球以外能のないスポーツバカと思った?」

「そうじゃないことが今わかったわ。 て、あんたも私の事運動音痴のただのガリ勉だと思ってるでしょうけど…
その野球についてだってあんたが知らなくて私が知ってることだってあるわよ。多分」

「言うね〜。例えば?」

「ベースボールに野球って訳語当てたの誰か知ってる?」

いきなり降参だった。

「でしょ?ふふん。ま、答えは今度教えてあげるわ。 じゃあね」

  *  *  *
0326うさぎさんのSS
垢版 |
2010/12/30(木) 00:22:57ID:SMn8DOYZ
「終わらない」

 俺は会社のパソコンの前でつぶやいた。
 俺はしがない会社員だ。今現在、12月25日に行われる会社のプレゼンの資料を
作っている。23日、現在、まだ完成していない。このままでは間に合わない。正確には24日をまる一日使えば間に合う。
しかし、それでは意味はないのだ。そう、俺は彼女の大倉都子の家で二人だけのクリスマスパーティーを開く予定だった。
しかし、今の状況だと、24日をまる一日使わないと資料が完成しない。
このままでは、このままでは、約束を破ってしまうことになるのだ。
「くそ、俺は、俺はまたあいつを悲しませてしまうのか・・・・・・」
俺は叫んだ。
俺は無力だ。恋人を悲しませてしまってなにがときメモ4の主人公だ。それとも、高校を
卒業してしまった俺はもう主人公(ヒーロー)じゃないのか。
「諦めるじゃねえ。セニョール。」
後ろから声がした。そこにはバールのようなものを手にもったうさぎさんが立っていた。
「おめえはもう高校生じゃない。だから、ときメモのヒーローじゃねえ。
だがよ、都子ちゃんのヒーローはお前しかいねえんだよ。」
うさぎさんはそう言って、俺を打った。熱いコブシだった。
「そうか、俺は大事なことを忘れてた。俺は都子のためのヒーローだったんだ。」
「そうとなったらは話は早い。やるぜ、セニョール。」
そういって、うさぎさんの体がひかり、うさぎさんは俺と瓜二つの姿になった。
「忘れたのか、セニョール。ボクとお前は同じ名前。お前の能力、姿をコピーできても
不思議じゃない。」
「いや、そもそも、俺とうさぎさんが同じ名前だったて初めて聞いたんだが。」
「ああ、セニョール。一周目だったんだな。とにかく、お前とボクで力を合せれば、明日の
夜までには終わる。そこから都子ちゃんの家にいけばクリマスパーティーには間に合う。いくぜ、セニョール。不可能を可能にするのがヒーローだろう。」
0327うさぎさんのSS
垢版 |
2010/12/30(木) 00:24:12ID:SMn8DOYZ
・・・は。俺は目を覚ます。時間は24日の夜八時だった。俺は寝てたのか。さっきのは
夢・・。く・・・。このままではクリスマスに間に合わないどころか、資料の完成さえも不可能。しょせん、これが
俺の現実だったのか・・・・・・・・。

だが、次の瞬間、俺は気づいた。目の前には完成したプレゼンの資料があったのだ。
「これは・・・・・・・」
「・・・・や・・・やったなセニョール。」
後ろを振り向くといたるとこから綿がはみ出したウサギさんがいた。
「う・・うさぎさんどうしたんだ。」
「く・・・、セニョール。魔力を使いすぎた。ボクはもうだめだ。」
「馬鹿をいうな。お前がいなくなった都子は・・・・」
「セニョール。もうボクの役目は終わったんだ。お前が都子ちゃんをしあわせにしろ・・・・」
「馬鹿やろう。俺とお前で都子を幸せにするって約束したじゃないか。」
「はは・・・。セニョールさえいれば、都子ちゃんは。」
「違う。お前は俺と都子の絆の象徴だ。メモリーなんだ。お前がいなくなれば、そこで全てがおわる。
たつんだ。うさぎさん。立てええええええ。」
その時、奇跡がおきた。うさぎさんの体が光、うさぎさんの傷が直った。
「ボクは・・・まだ、この世界に存在していいのか。」
「当たり前だろ、うさぎさん。」
そして、俺達二人は抱き合った。
「こうしてはいられない。都子の家にいそくぞ、セニョール。
「ああ、都子が俺達を待っている。いくぜ。」

ありがとううさぎさん。
こらからも俺たちの戦いははじまる。そう。都子の笑顔を守るための戦いが。
0328うさぎさんのSS
垢版 |
2010/12/30(木) 00:27:04ID:SMn8DOYZ
>>327
「こうしてはいられない。都子の家にいそくぞ、セニョール。
→「こうしてはいられない。都子の家にいそくぞ、セニョール」

終わりです。
0330325の続き
垢版 |
2011/01/26(水) 01:40:58ID:QCwlRqUa
 * * *

そんなことがあって、選手としては何の役には立たないだろうが、「中馬庚」と「正岡子規」という名前だけは
妙に記憶に残ることになってしまった。

しかしもっとも語堂に対する印象が変わったのは、林間学校のときだ。
林間学校では最終日に社会科見学を兼ねて市場で食料を調達し、班別に飯盒炊爨とカレーを作り品評会となる。
うちの班でテキパキと指示を下し、まるで気合の入った洋食店のような出来栄えのカレーを作り出す原動力となったのは
間違いなく語堂だった。


「カレーのキモはね、タマネギを飴色になるまで炒める事なのよ。これさえやれば半分はできたも同じね」
そう言って男子に火を熾させると、瞬く間にタマネギを全てみじん切りにしてしまい、フライパンで炒め始めた。

「あなた達はジャガイモの皮むいて一口サイズに切って水に漬けといて」 

「肉はみじん切りのしょうがと一緒に炒めて」

「あ〜ジャガイモは 後で素揚げにするから一緒に煮ない!」

手順は全て他の班と違った。 あまりに違うので不安になったが、あまりに堂に入っているので疑問を差し挟む余地も無い。

カレールウを溶かし込んだ後にお試しサイズの小瓶ワイン、八方だし、ヨーグルト、はては板チョコを砕いてポイポイと
投げ込み、家からわざわざ持ってきたのか小瓶に入った謎の粉まで放り込んでいく。怪訝そうな表情を察したのか
メガネをくいと押し上げて自信満々で言い放つ。

「これはねぇ。入れるだけでゴールデンカレーも一流レストラン並みの味になる魔法のカレー粉なのよ。うちの店でも
使ってるから安心しなさい。 日比谷松本楼も鎌倉プリンスにも負けないんだから」

そのとき初めて語堂の家が飲食店というこを知った。
0331名無しくん、、、好きです。。。
垢版 |
2011/03/02(水) 10:53:53.09ID:4J7P7+T6
下の作品 SS予定はないでしょうか?

SHUFFLE! Love Rainbow
Vermilion -Bind of Blood-
CROSS†CHANNEL〜In memory of all people〜
ToHeart2 DX PLUS
A.G.II.D.C. 〜あるぴじ学園2.0 サーカス史上最大の危機!?〜
Rewrite
世界征服彼女
D.C.Dream X’mas
White 〜blanche comme la lune〜
FORTUNE ARTERIAL-赤い約束-
眠れる花は春をまつ。
いろとりどりのセカイ
すきま桜とうその都会
11EYES-RESONA FORMA-
アネイロ
夏雪〜summer_snow〜
電激ストライカー
グリザイアの果実
君がいた季節
0332名無しくん、、、好きです。。。
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2011/03/03(木) 06:39:01.19ID:X95tMCex
『HBM』

ぱたぱたぱたーっ
変わった髪型の女の子が、駆けてくる。
「ごめぇーん!まったぁ?」できたてホヤホヤの俺の彼女。
一昨日、卒業式の日に告白されて、今日は初めてのデート…ゴン!
「あいたた…」
飛び込んできた勢いで、小柄な彼女のアタマが俺のアゴにヒット。
「あっ、ご、ごめんなさい」「ん、平気。そっちこそ大丈夫か?」「えへへ…」
痛そうにアタマをさすりながらも、なんか嬉しそうな笑顔。
「ん、どうしたの?」
「えへへ、『ごめんなさい』の後に、『人違いでした』って、
言わなくて良いんだなぁって思ったら、なんか、嬉しくなっちゃった」
「そっか」「それに、優しいなぁって…」「ん?」
「な、なんでもない…えへへ、今日は、どうするの?」
「ああ、ちょっと待って。えっと…これ」差し出した小さな包み。「えっ、なになに?」
「誕生日おめでとう!これプレゼント」「えっ?ありがとうっ!嬉しい…開けてもいい?」
「もちろん」ガサゴソ…コアラのイヤリング。「かわいい…前から欲しかったのこれ」
良かった。一昨日、彼女の誕生日を知って、慌てて探したから自信なかったんだが、
喜んでもらえたみたいだ。「それで、今日なんだけどさ」「うん」
「前に、電話で『駅前に美味しいケーキ屋さんが…』って、言ってなかったっけ?」
「えっ!?あっ…そ、そんな事…覚えてくれてたんだ…」
「へへーん、まあね。だから、『一緒に食べに行こうよ〜』」と口真似。「もう、ばか…」
「で、どうする?あっ、その…み、みはる?」初めての名前呼び…照れる。
「あっ…うん。もちろん、オッケーだよ!えへへ…」
頬をピンクに染めた見晴が、俺の腕をぎゅってつかんだ。
「行こ!」

------
と、言う事で短いですが…Happy Birsday Miharu!
0335名無しくん、、、好きです。。。
垢版 |
2011/05/09(月) 23:48:54.63ID:1N7rpIjZ
SS職人募集中スレ

エーベルージュを語るスレ 3年目
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/gal/1248267409/
センチメンタルグラフティ総合35代目
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/gal/1299264100/
Canvasシリーズ総合 Part21
http://kilauea.bbspink.com/test/read.cgi/hgame2/1302172024/
◆◇◆TGL総合スレPart 1◆◇◆
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/game/1172644654/
◆◆◆★★マイナーなギャルゲーのスレ★★★◆◆
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/gal/1190795664/
非18禁PCギャルゲー総合スレ(一応3)
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/gal/1143920343/
MinDeaD BlooD 4
http://kilauea.bbspink.com/test/read.cgi/hgame2/1206403697/
Dies irae Part117
http://kilauea.bbspink.com/test/read.cgi/hgame2/1304511307/
【銀色】銀糸総合スレ Part5【朱】
http://kilauea.bbspink.com/test/read.cgi/hgame2/1190283503/
0336名無しくん、、、好きです。。。
垢版 |
2011/06/07(火) 20:27:41.78ID:RMdIL5wn
ときめきメモリアル・葉鍵SSのキャラクターの名前をメモ帳で

エーベルージュ、センチメンタルグラフティ2、初恋ばれんたいん スペシャル、Canvasのキャラクターの名前で変えながら

SSを読んだがSSの大部分が違和感のためつまらない。
0337名無しくん、、、好きです。。。
垢版 |
2011/06/10(金) 02:43:10.35ID:7l+ANH1x
ふと思い出したが古式ゆかり(仮名)を転ばせて怪我させたの俺なんだ…
どうしていいか分からず謝りもせず逃げた
その後、女の子全員の爆弾が爆発して悲惨な高校生活だった事は言うまでもない…
一生独身決定したので諦め大学生の時チョコ何個か貰ったがお返しもせず又怒らせた… 未だに童貞なのは言うまでもない(´:ω;`)【実話】
0338名無しくん、、、好きです。。。
垢版 |
2011/07/27(水) 20:26:09.03ID:yxTSW8ax
ときめきメモリアル・葉鍵SSのキャラクターの名前をメモ帳で

エーベルージュ、センチメンタルグラフティ2、初恋ばれんたいん スペシャル、Canvasのキャラクターの名前で変えながら

SSを読んだがいくつのSSは意外におもしろい
0339詩織SS
垢版 |
2011/08/07(日) 23:24:31.87ID:oKev2oe3
「一緒に帰って友達に噂とかされると恥ずかしいし…」

放課後、帰り道。俺の誘いを断った詩織。
この言葉が二人を引き裂く決定打になったのは確かだと思う。

小さいうちは、ただ楽しいというだけで一緒にいられたのに、オトコノコとオンナノコ
は違うって、お互いが少しずつ気づきはじめた。いつの間にか、俺にとって詩織は
オンナノコになってしまった。あのころはわからなかったけど、詩織だって、きっと俺
のことが嫌いだったわけではなかったんだ。卒業式から四年たって、今にしてわか
る。俺は「伝説の樹」の下で、思い返していた。
0340詩織SS
垢版 |
2011/08/07(日) 23:32:09.34ID:KlaquXl1
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
詩織に手ひどく拒絶されて以来、もともとぎくしゃくしていた俺たちの関係は余計に
疎遠になった。校内で見かけても言葉を交わさない。一緒帰るなんてことも当然な
い。

でも、放課後の下駄箱で、一度だけ名前を呼ばれた。二人ではしゃいだ幼いころ
と、何も変わらない詩織の声。なのに目の前にいる詩織はあのころとはぜんぜん
違って、すごく綺麗で、ふいにドキッとした。世界中の綺麗なものを全部あつめて詰
め込んだみたいに思えた。時間が止まってしまったみたいに、俺はただ詩織を見つ
めていた。詩織が、何か言おうと、口を、開----
「----詩織ぃ!」
静寂を破ったのはクラスメートの声。
「詩織、よかった!まだ帰 ってなかったんだ。金月先生が探してたよ」
「あ、ありがとう」
ちらりと俺の方を見て、詩織は職員室の方へ向かっていった。

俺は混乱していた。
時間を止めて、俺に何か伝えようとしたあのときの詩織。
かわいくて優しくて人気者なのに、誰とも付き合おうとしない詩織。
「一緒に帰って友達に噂されるのが恥ずかしい」と言った、あのときの詩織。
平々凡々の俺と、かわいくて優しくて人気者の詩織。
0341詩織SS
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2011/08/07(日) 23:33:31.79ID:oKev2oe3
卒業式を控えた3月、下駄箱に見つけた手紙を信じなかったのも、そのせいだ。

「卒業式が終わったら、伝説の樹の下に来て 詩織」

何かの間違いだと思った。
宛名がなくて、本当に俺あてなのか確証がなかった。
本当に詩織が書いたものなのかもわからなかった。
だから俺は、その手紙を見なかったことにした。卒業式が終わるとすぐに、俺は好
雄やらの男どもとカラオケに直行し、最後の大はしゃぎをした。手紙のことをさんざ
ん疑っていたくせに、伝説の樹の下で詩織が俺を待ちくたびれて泣いている場面を
想像したりして、胸がきりきりした。
0342詩織SS
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2011/08/07(日) 23:36:55.32ID:KlaquXl1
詩織は近所の一流大学に、俺は地方の2流大学に進学して、それきり。
俺は何人か女の子と付き合ってはみたものの、すぐに相手に愛想をつかれた。
理由はいつも、「上の空で私を見てくれない」。

俺はまだ詩織のことが好きなんだろうか。わからない。でも会いたい。
就職が決まり、あとを卒業を待つのみの3月。
俺は手紙を書いて、詩織の家に送った。
「詩織へ 卒業式が終わったら、伝説の樹の下に来てくれないか?」

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++詩織の大学の卒業式を調べて(われながらストーカー、きもい)、伝説の樹の下に
やってきたのが今日。

俺は、3月の凍えるような寒さの中、鼻を真っ赤にしてたたずむ詩織を見つけた。

「詩織、早いな」
0343詩織SS
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2011/08/07(日) 23:38:01.77ID:oKev2oe3
びっくりしすぎて、われながらものすごく間抜けなことを言ってしまった。
「…遅いよ」
すねたような顔をして答える詩織。
「4年はいくらなんでも遅すぎだよな。ごめん。本当にごめん」
俺の言葉に、詩織の目が少し潤んだように見えて、思わず抱き寄せた。
詩織のか細い声が、涙が、コートを通して心臓にしみこんでくるみたいだ。
「本当は、本当はね」
詩織はしゃくりあげて、何も言えなくなってしまう。
0344詩織SS
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2011/08/07(日) 23:40:04.34ID:KlaquXl1
抱き寄せる腕をゆるめて、詩織の目を見ながら、俺は言う。
「詩織、いいよ。このままじゃ風邪ひくから、帰ろう。温かいお茶でも飲んで、ゆっく
り話をしよう」
詩織はかじかむ手を、ふと伝説の樹の幹に置いて、少し遅れて微笑んだ。
俺はその真っ白な指先を、ぎゅっと握り締めた。
0345詩織SS
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2011/08/07(日) 23:41:25.26ID:oKev2oe3
詩織SS終わりです。
改行失敗しました。すみません。
0346『 "D" 』
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2011/08/09(火) 07:28:41.46ID:ebP1YDk9
卒業式の日に、伝説の樹の下で、
女の子からの告白で結ばれたカップルは、永遠に幸せになれる。
私、藤崎詩織も、その一人になりたくて、
卒業式の今日、幼馴染のあの人の机に手紙を忍ばせた。
そして、今、この伝説の樹の下で待っているの。
どきどき、どきどき。
緊張でさっきから、胸のときめきが止まらない。
ううん。このときめきは、もっと、前から……あっ!?
…誰か駆けてくる!あの人かな?…えっ!?つ、つくえ!?
一脚の机が、私に向かって高速で移動してくる!
そして、私の前で、停止した…。
『マタセタネ、テガミ、アリガトウ!』ええっ!?
手紙はあの人に出したもの。でも、入れたのは?そう、机…。
確かに私は、机に手紙を忍ばせた。でもそれって…????
フジサキシオリは、こんらんした…。
『ボクト、デンセツニ、ナロウ!』「うん…」
ええ、なんでわたし、机の告白をうけちゃうの?OKしちゃうの?
『コレデ、デンセツハ…』
だめえっ!!!!

…………夢?
ゆ、ゆめ、だったんだ……ほっ……
トルルルル、トルルルル
「もしもし、僕だよ」「あっ」「どうしたの?眠れないのか?」
「そうじゃないけど、ちょっと…」
「じゃあ、たまには僕が羊を数えてあげるよ」「本当?」

『羊が1匹』『羊が2匹』『羊が…』
それは、真夏の夜の夢…だったのかな?
『机が…』えっ?

おしまい。
0347名無しくん、、、好きです。。。
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2011/08/26(金) 07:45:50.43ID:LI0jMTC1
test
0348名無しくん、、、好きです。。。
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2011/10/18(火) 20:18:46.68ID:tX7V6pTN
1. 初恋ばれんたいん スペシャル
2. エーベルージュ
3. センチメンタルグラフティ2
4. ONE 〜輝く季節へ〜 茜 小説版、ドラマCDに登場する茜と詩子の幼馴染 城島司のSS
茜 小説版、ドラマCDに登場する茜と詩子の幼馴染 城島司を主人公にして、
中学生時代の里村茜、柚木詩子、南条先生を攻略する OR 城島司ルート、城島司 帰還END(茜以外の
他のヒロインEND後なら大丈夫なのに。)
5. Canvas 百合奈・瑠璃子先輩のSS
6. ファーランド サーガ1、ファーランド サーガ2
ファーランド シリーズ 歴代最高名作 RPG
7. MinDeaD BlooD 〜支配者の為の狂死曲〜
8. Phantom of Inferno
END.11 終わりなき悪夢(帰国end)後 玲二×美緒
9. 銀色-完全版-、朱
『銀色』『朱』に連なる 現代を 背景で 輪廻転生した久世がが通ってる学園に
ラッテが転校生,石切が先生である 石切×久世

SS予定は無いのでしょうか?
0349名無しくん、、、好きです。。。
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2011/11/24(木) 20:18:12.76ID:NzPd54Bv
ない
0351名無しくん、、、好きです。。。
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2011/12/06(火) 11:24:56.78ID:vivD5PGK
『 晴れときめき雨 』


晴れときどき雨。降水確率は50%…今朝の微妙な天気予報。
で、朝は晴れてたけど、下校時刻はあいにくの雨。
傘持ってきて良かったな。

ありゃ?
昇降口で雨空を見上げてるのは響野さんじゃないか。

「響野さん」「あ」「傘、忘れたの?」
「あっ、うん。…ううん!?」「?」肯定と否定?
「そうじゃなくて、ただ、あなたと一緒に帰りたいと思ったから…。
それで、ここで待ってた。傘のことは、言われて初めて気がついたの」
「あっ、ははっそういう事か」「で…ダメ?」
「いや、もちろん良いよ。俺の傘に一緒に入るので良い?」「うん」

いわゆる相合傘というやつだ。肩が触れ合う近さで歩きだす。
響野さんはもの珍しそうに俺の傘を見上げている。

「雨の音が…」「うん?」
「あなたの傘に当たる雨音が、私の傘より低音で、新鮮だなって…」
「なるほど」「なんだか、あなたに包まれてるみたい」
0352名無しくん、、、好きです。。。
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2011/12/06(火) 11:25:43.86ID:vivD5PGK
『 晴れどきどき雨 』

晴れときどき雨、降水確率50%…。
「やっちまったなー」
あいにくの雨。うっかり傘を忘れちまった俺、下駄箱で佇む。
「あらっ、小林くん傘忘れたの?」
ポニーテールのスレンダー美女、大倉都子だ。
「あたしの傘、使う?」
「えっ?それって、ももももしかして…。
で、伝説のレアイベント相合傘ってやつ!?」
「え?違うわよ。ただあたしの傘を貸してあげるってだけよ?」
「ははっなんだ…そうだよな。でも良いのか?
俺に傘貸しちまったら…あっ、ははーん…」
「なっ、なに?」ニヤリ「ダンナか?」ぱぁっと頬が染まる。
「だっだって家が隣だし、登校したとき傘持ってきてたから…」
もじもじ。こうなるとちょっと意地悪してみたくなる。
「…アイツなら、さっき先に帰ったぞ」「えっ………」
たちまち、どーんと暗くなる彼女。反応が早くて可愛いぞ。
「う・そ」!!「あっ、騙したのね?ひどい…傘貸さないぞ?」
「スマンスマン!まだ教室にいるはずだから行ってみなよ?」
「うふふっありがとう。じゃはい傘!じゃあね!」たたたっ!
ありゃ、廊下は走っちゃ行けないよ!…って聞こえないか。
「サンキュ!」
0354名無しくん、、、好きです。。。
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2012/02/22(水) 12:00:09.11ID:GlsYZbvK
『 リハーサル 』

2月22日……
卒業の日を間近に控えた日曜日のきらめき高校。
校庭の外れにある一本の古木のたもとに、
変わった髪型の少女がひとり。
「うーん、どうしようかなぁ…。こう、木の影に隠れて…」
ぴょこ!極上の笑顔で顔を出す。
「あれっ?見つかっちゃった。え、私は誰かって?
館林見晴っていいます。えへへ…」
首をかしげ、「うーん、いまいちかな…」腕を組む。
「それとも、今までやったみたいに、ぶつかるとか…」
うんうん。「あの人が来たところへ…どーんって…」
「あっ、でも…誰も立ってない伝説の樹のたもとに、
果たして来てくれるかなぁ?はてさて…」

……

はぁ……
「やっぱり、今まで色々失礼な事しまくってるのに、
告白までふざけるのは、ちょっとダメだよね…」
うん!「ここは、正攻法でちゃんと想いを伝えなきゃ。うん!」
ぎゅっと拳を握りしめ、古木を見上げる。
「そうだよね?伝説の樹さん?」
ざざっー。春を予感させる一陣の風。
「うん。それじゃぁ…」すぅー。

「今まで、ごめんなさい。私、館林見晴っていいます。
 こんな所に呼びだしたのは、あなたに、どうしても、
 言いたいことがあったから………
0355名無しくん、、、好きです。。。
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2012/04/08(日) 00:42:55.49ID:fUKHPv0j
??
0356名無しくん、、、好きです。。。
垢版 |
2012/04/21(土) 19:31:20.98ID:f3wKXyNg
1〜8番の二次創作小説SS(Side Story)のコミケや通販・ダウンロード販売予定はないでしょうか?
1. 初恋ばれんたいん スペシャル
2. エーベルージュ
3. センチメンタルグラフティ2
4. Canvas 百合奈・瑠璃子先輩のSS
5. ファーランド サーガ1、2
6. MinDeaD BlooD
7. WAR OF GENESIS シヴァンシミター、クリムゾンクルセイド
8. アイドルマスターブレイク高木裕太郎
0359名無しくん、、、好きです。。。
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2013/01/05(土) 23:31:12.99ID:HNCGq5gu
あげまして
0360名無しくん、、、好きです。。。
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2013/02/23(土) 20:17:05.68ID:FgK6/bM/
562 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/02/11(月) 14:08:56.40 ID:zBXy4i6I
藤崎詩織 35歳 独身 一流企業秘書課勤務

 理想が高すぎた詩織は、大学入学後、すぐに主人公を捨てて、お坊ちゃん学校として有名なKO大の医学部生と付き合いはじめる。
相手の父親が教授であるため、将来のポストは約束されており、これで私の人生も磐石だわと思ったときに捨てられる。
ちなみに、その彼氏の新しい相手は、旧華族の一流企業社長の社長令嬢であった。
 その後、何人もの男に告白されるものの、KO大医学部生と付き合っていたというプライドが許さず、あっさりと切る。
そのまま一流大学を優秀な成績で卒業、一流企業の、それも秘書課にいきなり採用となる。
周囲にも優秀な男がたくさんいたものの、「所詮サラリーマンじゃないのw 私は他人に使われているような男じゃダメなのw」と相手にしない。
 親から見合いに持ちかけられた男は、銀行員、一流企業正社員、国家公務員、教師など、エリートが多いものの、やはり鼻で笑って相手にしない。
「こんなのが私につりあうわけないじゃない」 ますます婚期を逃し28歳。(つづく)
0361名無しくん、、、好きです。。。
垢版 |
2013/02/23(土) 20:19:10.99ID:FgK6/bM/
 28歳と3ヶ月の時、医者や弁護士などの超エリート限定の婚活パーティに出席。何故かあまり相手にされず、カップル成立はほとんど女子大生や20代前半。
それでもなんとか、若手の弁護士を捕まえるものの、事務所に行ってみると、なんと国選弁護専門というべき貧乏事務所のイソ弁で、年収は400万円。
「こんなの話にならないじゃない!弁護士だっていうから最低でも1000万程度は稼ぐと思ったのに!」
 ついに最後の婚期を逃す。
 噂で、大学入学後にすぐ切った当時の彼氏が、今では国際線のパイロットとなって、結婚し、裕福な暮らしをしていると聞く。
逃がした魚は大きかったが、詩織はこう割り切るのだった。「もっといい男なんてたくさんいる」

 そして35歳! お見合いの話なんか一つもあがらない。何故ならば、歳の流れに肌が逆らえなくなったからである。
もうどんなに化粧でごまかそうが、エステをしようが、整形でもしない限りは直せない。それでもプライドが邪魔して整形には行けない。
「ねえ、詩織……あんたももう35でしょ?どう?町役場に勤めている人との縁談があるんだけど……」
 世間的には好条件である。35歳で地方公務員との縁談。それでも詩織はこう言うのだった。
「え?そんなのが私とつりあうと思っているの?ここまでせっかく待ったんだから、妥協するわけないじゃない!断って!」
 そして、今日も詩織は、自分磨きと自分探しのために、ユーキ○ンのカタログをながめているのであった。しかし、もう肉体のたるみは、その腹まで迫っていたのである。
0362名無しくん、、、好きです。。。
垢版 |
2013/02/23(土) 20:22:16.35ID:FgK6/bM/
 最近、会社の後輩たちが生意気である。休憩室に入ったとたん、何故かプツリと会話が途切れることが多くなった。
「ねえ、一体何なの?私に言いたいことがあるならはっきり言いなさいよ!」
 詩織は、給湯室に一番気の弱そうな女子社員を呼びつけて、その理由を聞く。女子社員は詩織の般若のような表情に耐え切れず、ついに話してしまう。
「す、すみません……、じ、実は美樹原先輩の結婚式の余興のことで……」
「え?」
 詩織は固まる。美樹原……そう、あの美樹原愛である。自分の引き立て役の美樹原愛。
二流大学にしか受からず、自分の2年後に就職浪人して、コネを使ってようやくこの会社に入った、詩織からしたらクズのような「元友人」である。
美樹原に先を越された……、美樹原にハブにされた……それが詩織のプライドに火をつけた。早速美樹原を呼びつける。

「どういうこと?どうして私に黙っていたわけ?」
「だ、だって……詩織ちゃん、ずっと私のこと無視してきたじゃない。私が友達だって紹介しても、『いいえ、ただの知り合いです』とかって……先に友達じゃない扱いしてきたのは詩織ちゃんじゃない!」
「っ!!!……馴れ馴れしく呼ばないで!『藤崎先輩』でしょ!」

 もう怒りで頭が沸騰しそうになっていた。あの美樹原に……あの美樹原に先を越されたという敗北感。
相手がどんな男なのか、そんなことはこの際関係がない。他の子たちだって先に結婚していようがなんだろうが関係ない。
詩織には、ただ「美樹原に先を越された」という事実だけが、大いなる屈辱としてのしかかってきたのである。
0363名無しくん、、、好きです。。。
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2013/02/23(土) 20:23:54.29ID:FgK6/bM/
 徐々にお局様としての地位を確立していく詩織。そんな詩織の元に、同窓会のはがきが届く。
昔は相手にしなかった級友たちであるが、きらめき高校は有数の進学校であることを思い出す。
「もしかしたら、あの中から社長や医者になった人がいるかもしれないわ」 詩織は幻想を抱きながら同窓会に出ることを決意。
「このドレス……ちょっときついわ。クリーニングに出しすぎたかしら」 いいえ、詩織の腹のせいである。

 当日、詩織は嬉々として、会場のホテルへと向かった。
 当時、学園のアイドルとして君臨していた自分が行ったら、さぞ場は盛り上がることだろう。
当然、今日集まった男たちの大半は自分との再会を目的としており、入場と同時に取り囲まれ、写真撮影や会話を求められるだろうと。
 詩織は、男たちに、どんな質問をするか悩んでいた。「やっぱり最初に職業と年収よね。当たり前だわ」

 詩織入場……しかし、誰も気づかない。気づいたのはホテルのボーイだけ。
 しばらく会場内をうろつくが、誰も気づかない。
 仕方なく、調子の良さそうな男の近くに寄ってみる。

「なあ、聞いたか?今日、藤崎が来るんだってさ」
「藤崎?ああ、藤崎詩織ね……あいつが、こんなパーティ来るの?」
「俺も聞いた時びっくりしたよ。あいつさ、俺らのこと見下しただろ?だから絶対来ないと思っていたんだよな」
「どうせ自慢しにでも来るんじゃないの?私、今こんなに金持ちなんザマスよ、おーほほほほ、とか」
「まあ、そんなところだろうな。でも全然来ないな、あいつ」

 詩織、すぐそばにいるのに気づかれない。そう、気づかれないのである。
 男たちの詩織への悪口雑言はその後も続き、詩織はついに耐え切れなくなって、咳払いをする
「ゴホンゴホン……、皆さん、ごきげんよう、藤崎ですけど」
0364名無しくん、、、好きです。。。
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2013/02/23(土) 20:28:02.86ID:FgK6/bM/
 場が静まり返る。詩織周辺の男以外の、他の出席者まで静まり返る。
 ああ、やってしまった……詩織の悪口を言っていた男たちは、そんな表情をしながらも、トイレだの、会社に連絡をしなきゃだのと言いながら場を外す。
「フン!何なの?あのDQN男たち……自分じゃ手が届きそうになかったからって僻んで!ああいうのを『酸っぱいぶどう』っていうのよ!」
 詩織は心の中で毒づく。でも、同時にこう思ってもいた。
「藤崎詩織はここにいるのよ。ほら、いいの?早くしないと、他の男に取られるわよ」
 詩織の中では、すでに、詩織に駆け寄ってくる男たちの輪の中で得意げになっている詩織の姿が出来上がっていた。

 しかし!現実は残酷なものである!
「おい、あれ、藤崎だってよ」
「マジかよ!だってあれ、ただのオバ(あわてて言いとどまる)」
「なんか太ったんじゃない、あいつ」
「やっぱり歳だよな」
「全然昔の面影がないよな」
 ひそひそと言っているつもりであっても、詩織の耳には悪口はよく聞こえた。
 詩織、もう我慢の限界である! ついに心の中の爆弾が爆発し、男たちを泣きながらにらみつけた!

 だが、昔と違って、その爆風の影響は、誰も受けない。
 そう、皆が皆、詩織に対しては「イヤミな奴」「お高くとまった奴」というイメージしかないのである。
 昔はそれでも許された。かわいかった、それだけで正義だった。だが今は違う。ママチャリにネギの出た買い物かごが似合う、ただのオバさんである。
「あ!藤崎さん!久しぶり!元気にしてた?」
「アナタ、誰?」
「忘れちゃったー?夕子だよ、朝日奈夕子!」
「ああ、朝日奈さんね……あの赤点ばかり取って、卒業後もプーやってた朝日奈さん。何の用なの?」
「え……ちょっと……そんなこと言わなくてもいいじゃない!」

「おい、今の、ひでえんじゃねえの?」
「性格だけは昔と変わらず性悪だな」
「朝日奈がせっかく構ってやってあげたのにな」
「おい、朝日奈、そんな奴に構わないでこっちで一緒に飲もうぜ!」
 詩織はいたたまれなくなって、会場を後にした。
0365名無しくん、、、好きです。。。
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2013/02/23(土) 20:38:28.29ID:FgK6/bM/
藤崎詩織 35歳 第2話

「ふ、ふん!どうせこんなパーティに出るのなんて、負け組の暇人ばかりなんだわ!こんなところにいたって意味はないわ!」
 詩織は、自分も参加していた事実を棚にあげ、自分を正当化する独り言をぶつぶつ言いながら、会場を後にしようとしていた。
 そんな時、トイレに行っていたのだろうか、会場を一時離れていたと思われる男2人組が話していた。

「せっかく○○(主人公)にも会えると思ったのにな、やっぱり国際線のパイロットは忙しいか」
「早乙女はあいつとは特に仲が良かったからな。まあ、あいつと俺らとでは、やっぱり何かが違ったんだよ」
「ああ、何かの小説の主人公みたいなオーラがあったからな、俺らとは違ったんだろうな」
「あいつ、藤崎詩織に告白されたんだろ? でも、今日、藤崎が来るっていうじゃないか。あのまま結婚したと思ったのに別れたのか?」
「おいおい、あいつがいないから特別に教えてやるけど、あいつ、大学に入ってすぐに切られたんだよ」
「マジ!?何でだよ?藤崎から告白したんだろ?」
「それがさー、あいつ、ぼやいていたんだけど、藤崎が『KO医大生と付き合うから、あなたとはこれ以上付き合えないわ』とか言ってきたんだってよ」
「うわー、かわいそー、あいつ、藤崎一筋で頑張っていたのにな。まあ、藤崎らしいよ、別れ方が。いかにも打算的というか」
「俺もさ、正直言って、あいつが藤崎と別れて良かったと思っているんだ。まあ、藤崎より良い女捕まえたんだし、結果オーライじゃないか?」
「え?誰だよ、それ」
「見晴だよ、館林見晴。あのコアラみたいな髪型していた女」
「あーーー!!思い出した!!そういえば、あいつはあいつで、○○一筋で高校3年間を過ごして、最後に敗れたんだよな、藤崎に」
「でもさ、さすがというか、なんというか。あの後もずっと諦めないで、ついに22歳の時に付き合い始めて、25歳で結婚したんだよ」
「まあ、そう考えたらあいつも幸せになれて良かったのかもな。俺も、藤崎よりは館林派だし」
「実は俺もなんだけどね。だからあいつには悪いんだけど、館林の電話番号だけは教えなかったんだよ」
0366名無しくん、、、好きです。。。
垢版 |
2013/02/23(土) 20:40:44.23ID:FgK6/bM/
藤崎詩織 35歳 第3話

 同窓会会場をあとにした詩織は、半ば自暴自棄になって独りで飲みに行く。
そこは、普段の詩織では決して足を運ぼうとしない、場末の寂れたスナックであった。

男3人「「「今夜も卒業アルバム〜」」」

 3人の男たちが、店いっぱいに響き渡るような声で、涙を流しながら熱唱している。
いかにも恋に破れた、人生に疲れた男たちといった感じである。
 一人はやや小柄で女性的な顔立ちをしたホスト風の男、一人は剣道でもやっていそうな細マッチョの体育会系営業風の男、
もう一人は髪が乱れて目が見えないものの、そこそこの会社に勤めていそうな感じの男である。

「ふん、なんて女々しい歌なの、なんて女々しい男たちなの。呆れてものが言えないわ」
 詩織は誰も聞いていないことを良いことに、ぼそっと毒づいた。今日は結構飲めそうである。
 やがて、3人の男たちは、歌い終わると、野次やからかいの言葉、乾いた拍手を背に受けながら、自分たちの席に戻っていった。

「皆さん!お待たせしました!本日のメインゲストの登場です!バンドグループAYAの皆さんです!」
 バンドグループAYAは、きらめき高校から生まれたバンドである。昔は別の名前で活動しており、メンバーも若干違っていた。
 発足当時のメンバーのうち、ギターの男とキーボードの女は、音楽性の違いを理由に脱退。
また、発足当時は兼任されていたボーカルの座に、現在のリーダー格であり、バンド名にもなっているAYAが加入した。
昔はそれなりに人気はあったのだが、今ではもう、こんな寂れたスナックでの活動が中心になってしまっている。

(つづく)
0367名無しくん、、、好きです。。。
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2013/02/23(土) 20:42:04.85ID:FgK6/bM/
藤崎詩織 35歳 第3話 Bパート

 AYAが歌いだす……先ほどの男たちの歌はどちらかというとバラードのような、演歌のような歌だったが、AYAはロックである。
日本語と英語……というよりは英単語を巧みに使った独特な詩、独特な曲で、他に類を見ないものであった。
 しかし詩織はもともとクラシック好きである。先ほどの男たちの歌も好みではないが、それ以上にAYAの歌は好みから完全に外れており、詩織には雑音にしか聞こえなかった。

「HEY!YOU!オマエラ!コンニチハ!ハロー!ハロー!テメーラ!ミスターさーるー!」
「いいぞー!AYAちゃん!」
「AYAサイコー!!」

 この店はAYAのファンが多いのだろうか、それとも今日はたまたまコアなファンばかりが集まったのだろうか。
詩織以外のほとんどの人が総立ちになって、首を振り、手を振り、体をくねらせながら、一緒になって歌っている。
 AYAも気分が高揚したのか、いつもより調子良く歌い、2曲、3曲と、オリジナルの新曲を披露していった。
 しかし、店の中でポツンと一人、皆の輪に入ろうとしない者がいた。詩織である。

 実はAYAと詩織は面識があるのだが、今ではお互いすっかり変わってしまい、お互いに気づかない。
 AYAは詩織がシャイなだけなんだと誤解し、詩織に近寄ってマイクを差し出す。
「さあさあ!YOUも歌いましょうネ!恥ずかしくないよ!シャイは捨てましょー!」
 だが詩織は答えようとしない。露骨に顔を背け、私に関わるなというオーラを発する。
 AYAはその態度に頭の中が沸騰しそうになりながらも、冷静にこう聞いた。
「ねえ、AYA知らない?今回が初めて?……地元では結構有名な方なんだけどなー」

(つづく)
0368名無しくん、、、好きです。。。
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2013/02/23(土) 20:44:16.73ID:FgK6/bM/
藤崎詩織 35歳 第3話 Cパート

 正直、AYAのことは知らなかった。詩織にとってどうでも良いことでしかなかった。
ただ、詩織の辞書に「知らない」という言葉はない。「知らない」と答え、他人より下に見られるのが怖かった。
「そのくらい知っているわよ。当然でしょ」
 詩織の言葉にAYAも気を良くしたのか、ぱっと表情が明るくなった。
 それで終わっていればお互い幸せだったのだろうが、余計な一言を吐いてしまったのである。
「ビジュアル系で有名でしょ」
 その一言、その一言で、禁断のスイッチが入ってしまった。
「え?今、なんて?」
「だから、ビジュアル系で有名だって言ったの」
「ビジュアル系?何?何それ?私、知らない!アイドントノー!!AYAイズノットビジュアル系!!」
「お、おい」

 ドラムの男があわてて二人の間に入る。客がざわめき始める。
「ちょっと、お姉さん困るよ。うちのAYAはビジュアル系って言われるのをものすごく嫌うんだ」
「ふーん」
「ふーんって、アンタ、いかにも俺たちのことを知っているような口ぶりだったじゃないか。何も知らなかったんだろ?本当は」
「知ってたわよ!知ってたけど、言わなかっただけよ!」
 詩織までヒートアップ。詩織にとっての禁句は「知らないだろ?」だ。ふとAYAの方に目を向けると、そそくさと帰り支度を始めていた。
「AYAは気持ちよく歌えないので、ゴートゥーホームさせてもらいます!」
「おい、謝れよ、アンタ」
「AYAが帰っちゃうだろ!俺たちせっかく楽しみにしていたんだぞ!」
「知ったかしているんじゃねえよ!」

 AYAが帰り支度を始めたせいで、ファンの客たちは激怒。
「みなさん!AYAはビジュアル系ではありません!ビジュアル系ではありませんよ!」
 司会進行役を務めていた店員のとりなしも虚しく、AYAはついに帰ってしまった。客全員、いや店の者たちからも冷たい視線が注がれる。
「な、なによ!私が悪いって言うわけ?」
 誰も答えない。答えないが、NOではない。
「そ、そう、いいわよ、私も帰ってやるわよ!何よ!あんな頭に巻貝乗せたような髪して!フン!」
 詩織は精一杯の捨て台詞を吐き、玄関へ向かった。
0369名無しくん、、、好きです。。。
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2013/02/23(土) 20:48:20.05ID:FgK6/bM/
藤崎詩織 35歳 第4話

 場末のスナックから事実上追い出された詩織は、憮然としながら帰路につこうとしていた。
 しかし、詩織の言動に激怒し、冷静さを失ったAYAの熱狂的ファンが、詩織を路地裏で待ち伏せし、詩織を襲撃しようとしていたのである。
「おい、お前、ちょっと待てよ」
 詩織は無視しながら、歩くスピードを速めていく。
「待てよコラ」
 詩織はあっという間に囲まれ、絶体絶命の状態。
「何?アナタたち。警察呼ぶわよ」
「おうおう、呼んでみろよ、警察。ほら、早く呼べ」
「あ!おまわりさーん!こっちでーす!」

 詩織は何かの漫画に出てきそうなDQN撃退法を試してみるが、全く通用しなかった。
 周囲は真っ暗。交番もなく、行き行く人々は詩織たちを気にも留めない。世間なんか所詮そんなものである。
「てめえ、よくもAYAをディスってくれたな。殺してやるよ」
 どんなものにも共通しているが、度を過ぎてのめり込んだ者は恐れを知らない。自分がはまっているもののためなら、人生さえ棒に振るのである。

 詩織の正面に立っていた男が今にも殴りかかりそうになった時だった。
「どっちですか!!」
「早く!早く!逃げられちゃうから!」
 野太い男の声と、それに答える女の声。そしてその後に鳴り響く、おなじみのサイレン
「おい、マジだ!やべえぞ!」
 詩織を取り囲んでいた男の一人が叫ぶと同時に、DQNたちは一目散に逃げ去った。

 運が良かったのだろうか。助かった。本物の警察が来てくれるなんて……。
「大丈夫?お姉さん」
 なんともいえない、紫色の声。うずくまっていた詩織が見上げると、そこには男とも女ともいえない人間が2人立っていた。
 詩織に話しかけていない方は、手に玩具のサイレンを持って、してやったりという顔で笑っている。
「なんだか知らないけどさ、ちょっとうちで休んで行きなさいよ。お代はいいから」

 何とも胡散臭い奴らではある。しかし、詩織はDQNに囲まれた恐怖を思い出し、今すぐに単独で動ける状態ではなかった。
詩織は、言われるまま、二人について行った。
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2013/02/23(土) 21:05:34.58ID:FgK6/bM/
藤崎詩織 35歳 第4話 Bパート

 二人の胡散臭い人間に案内されたのは、これもまた寂れた感じのバーであった。
詩織が追い出されたスナックと良い勝負というくらい場末感が漂っているが、「何か」が違う。
「ごめんね、店の中だとちょっと目立つし、貴方には似合わないから、奥の方に上がってちょうだい」
 奥の方に通されたが最後、そこがヤクザの事務所で詩織は脅迫されて……ということも考えられたが、色々と疲れていた詩織は、とにかく一息つきたくて仕方なかった。
 言われるがまま、店の奥の休憩室のような場所に行くと、そこには一人、先客がいた。

「あ、この子も貴方と同じで、ちょっと事情あって、うちでかくまっているのよ。今、飲み物持ってきてあげるから、座って話でもしていて」
 「人間」はそう言うと、店の方へと戻っていった。
 先客は、よく見ると、金髪ストレートで整った顔立ちをしている。相当の美人顔である。
悪い男にでも騙されて、借金取りにでも追われるはめになったのだろうか。ああ、やっぱり美人って不幸なんだわと、詩織は自分の顔に手を当て、ため息をついた。

「こんばんは。レイといいます。今、わけあって、この店で働きながら、かくまってもらっているんです。」
「そうだったの……私は詩織、よろしくね。ホント、美人ってろくな目にあわないわね……貴方もきっと辛かったでしょう?」
 まだ何の理由でこの店にかくまわれているのかさえ分からないのに、詩織は勝手に予想して、はらはらと涙を流しながら、レイの手をとった。
「美人だなんて、そんな……。ところで、貴方は?どうしたの?何かパーティに出るような服装をしているけど……」
「私が嫌だって言っているのに、しつこくつきまとってくる男がいたの。ホント、しつこくて……」
 詩織は、もっともらしいような、そうでもないような嘘をつき、上着を脱いだ。
 上着のポケットから、一枚、名刺が落ちる。

「藤崎……詩織……?貴方、もしかして!きらめき高校○○年度卒業生の、藤崎詩織さん?」
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2013/02/23(土) 21:19:41.41ID:FgK6/bM/
藤崎詩織 35歳 Cパート

 いささかの疑問はあった。だが、「女性なら私をライバルとして意識しているはず」と勝手に納得した詩織は、深くうなづきながら答えた。
「そうよ、私が『あの』藤崎詩織よ」
「そうなんだ!藤崎さん、本当に奇遇ね!貴方とこんなところで会えるなんて!私よ!伊集院レイ!忘れた?」
「え?」
 思考が停止する。伊集院レイ……確かに高校在学時には毎日のように聞いたはずの名前である。
だが、伊集院レイは男性。今自分の目の前にいるのは女性。これは一体どういうことなのか?
 詩織の頭の上にいくつもの「?」が浮かび上がる。そんな様子を見たレイは、しまったと思いながらも暴露する。

「そうよね、藤崎さんは知らないわよね。私、実は女なの。男としての私しか見ていないから驚くのも無理はないわね」
 詩織はまだ理解できない。この女は一体何を言っているのか?
 そんな時だった。詩織を助け、店まで案内した「人間」が、飲み物やつまみを用意して戻ってきた。
「あらあら、レイちゃん、ずいぶん今日はテンション高いじゃない?何か良いことがあった?」
「この子、高校時代の同級生なんです!あまりにも偶然で嬉しくて!」
「あらまあ、それはすばらしい奇跡だわ!つもる話もあるでしょうから、今日はここに泊まっていきなさいよ。お布団も用意してあげるから」
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2013/02/23(土) 21:24:43.75ID:FgK6/bM/
 完全に固まっている詩織をよそに、二人は盛り上がっている。詩織はなんとか意識を保ちながら、禁断の扉をノックした。
「あのー……ここって、何のお店なの?」
「あらまあ、分からなかった?ここ、オカマバーよ……」
「うっ……」
 レイを見る詩織の目は冷たい。完全な誤解なのだが、今は詩織の頭の中で別の真実が作られていた。
「藤崎さん?」
「いや!!私知らない!こんなオカマ!知らない知らない!人違いです!帰ります!きもいわ!」
「藤崎さん、酷いよ……私、女だよ?」
「ちょっとアンタ!きもいだなんて、そんなこと言うことないじゃない!なんていう子なの!」
「近寄らないでオカマ!不潔!きもい!それ以上近寄ったら本当に警察呼びます!帰ります!追ってこないで!」
 詩織は逃げるように店から出て行った。伊集院レイが何故ここにいるかという重大な話を聞かないまま。そして、それは後に新たな悲劇を生むこととなった。

(つづく)
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2013/02/23(土) 22:05:25.14ID:FgK6/bM/
藤崎詩織 35歳 第5話

 結局詩織はビジネスホテルに泊まり、翌日直接職場に向かった。
職場に着くと、いつもは半数以上がまだ出勤していないのに、今日に限ってほぼ全員が出勤していた。
詩織の上司は詩織を見かけると、血相を変えて「どうしたんだ!全然連絡がつかなくて大変だったんだぞ!」と怒鳴ったのである。
 「何でしょうか?」詩織は昨日悲惨な目にあったこともあり、ぶっきらぼうに尋ねた。
「何でしょうかじゃないよ。お前、ニュース見ていないのか?」
 確かに昨日は色々ありすぎてニュースなんか見ていなかった。そんなに重大なニュースがあったというのだろうか。
「状況がわからんまま電話に出られても困る。お前はまず休憩室でニュースを見て来い。そして動きがあったら逐一報告しろ!」
 上司はそう言うと、一刻を争うというような慌てぶりで、秘書課室に戻って行った。

 詩織が休憩室のテレビをつける。皆が働いているというのに、重役のような待遇である。
 テレビをつけると、片目が前髪で隠れるような髪型をした女性の学者が、報道陣に囲まれている。
『博士!RMY細胞で世界のあらゆる病気を治せるというのは嘘だったのでしょうか?』
『RMY細胞を使って、エイズ患者を完治したというのは嘘だったのでしょうか?』
『RMY細胞は実は人類滅亡計画に利用する細菌兵器だという噂がありますが、本当なのでしょうか?』
『博士!答えて下さい!RMY細胞を北の楽園に売っているというのは本当なんですか?答えて下さい!』
 博士と呼ばれている女性は、つい先日までテレビで話題の中心にいた科学者である。
 RMY細胞という特殊な細胞を培養することに成功し、ノーベル賞の最有力候補とも言われ、百年に一人の天才とまで評されていた。
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2013/02/23(土) 22:16:33.52ID:FgK6/bM/
「痛い!痛い!離しなさい!離しなさい!」
 博士は大勢の記者に押しくらまんじゅうのように詰め寄られて、悲痛な叫び声をあげる。
 しかし、記者は決して容赦しようとしない。我先にと、博士に詰め寄って質問を浴びせる。
『博士!博士の研究のスポンサーは確かあの伊集院グループですよね?この件も伊集院グループが関与しているのでしょうか?』
『伊集院グループの株価が軒並み暴落していますが、この件について何かコメントを下さい!』
『博士!逃げないで答えて下さい!』

藤崎詩織 35歳 第5話 Bパート

 つまり、こういうことである。
 日本有数の大企業である伊集院グループがスポンサーとなっている博士の研究が、実は病気治療のためのものではなく、世界征服のためのものではないかという見方が強くなった。
その影響により、伊集院グループの株価は一気に大暴落。「北の楽園」とのつながりも疑われているせいで、今や世間は伊集院家を外患誘致の悪の手先として見るようになったのである。
 そして、その影響は伊集院グループだけに限らない。伊集院グループと強固なつながりを持っていた企業も、その影響を強く受けているのである。
 無論、詩織が勤めている企業もそのうちの一つであり、朝から株価は急降下。苦情や問い合わせの電話が鳴りっぱなしである。
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2013/02/23(土) 22:27:27.13ID:FgK6/bM/
 確かに、渦中にいる「博士」には黒い噂もあった。
 だが、それらは、今までは博士に及ばない能力の科学者たちによる妬みだとしか捉えられていなかった。
しかし、今回は、きわめて機密性の高い情報が漏れたことにより、博士の研究の暗黒面が、高い信憑性をもって浮き彫りにされたのである。
 あの伊集院家がと、首を傾げたくなるような、お粗末な情報漏えい。
 一説には内部の犯行ではないかと言われているものの、誰の仕業なのか分からなかった。
事件勃発前後から所在不明となっていた伊集院家の長女や次女の仕業なのではないかという噂もあった。

『ここで番組の途中ですが、緊急の情報が入りました。』
 一大事件の報道中だというのに、それを上回る緊急ニュース。一体何事か。詩織も食い入るようにテレビを見る。
『先ほど入った情報によると、暴落した伊集院グループの株を、何者かが買い占めているとのこと。繰り返します……』
 詩織は上司に言われた言葉を思い出し、急いで上司を呼びに行く。
こんな時でも上司の言葉は絶対。エリートとはいえ、いや、エリートだからこその悲しい性でもある。
 事態はまた、新たな局面を迎えようとしていた!
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2013/02/23(土) 23:27:47.46ID:FgK6/bM/
藤崎詩織 35歳 第6話

 今や価値が暴落して誰もが見向きさえしなくなった伊集院グループの株。
それを買い占めている者がいるという。一体何のために?
 誰もが疑問に思うところだが、不思議なくらい、その後のニュースは「博士」の研究のことばかりであった。
 しかし、いずれにせよ、この事件で失ったものはあまりにも大きすぎた。

 詩織の会社では、即日、緊急の役員会議が開かれ、依願退職者を大量に募集された。
 職を失うこと、そして、今の一流企業の正社員としての地位を失うことは大きいものの、誰もがこの沈み行く泥舟に残る気はなかった。
会社から代償として支払われる退職金の額が目減りしないうちにと、我先にと退職していく。
 それでいいのかもしれない。なぜならば彼らはエリートだから。彼らの能力をもってすれば、今の会社ほどではないにしろ、職に困ることは考えられなかった。
 そして、詩織も同じ考えだった。沈み行くこのタイタニック号に、いつまでも残っている気はなかったのである。
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2013/02/23(土) 23:32:42.45ID:FgK6/bM/
 本社ビルに一礼。颯爽と立ち去る。感慨も何もなかった。
 美樹原愛はこれを機に、しばらく専業主婦として暮らすということで、婚約者と話し合いがついたらしい。
詩織は、そんな美樹原の行為を、「坂道から転がり落ちるような転落人生」と一笑し、自分はそうはならないと心に誓った。
 だが、明日からは、社会的には無職である。早く新たな職を見つけなければ、自分は負け組だ。
ただ、ハローワークに行くようなことだけは絶対にしないと決めていた。あそこは社会の負け犬が職を求めておしかけるような場所だ。自分の行く場所ではない。
それに新聞や雑誌に載っているような、安っぽい求職に応じることもしないと決めていた。自分にはもっとふさわしい場所がある。
 さて、どうしようか……悩んでいた詩織は思わず母校の一流大学に立ち寄る。
 そこには、一流大学生にしか声がかからないような企業の求人情報もあるのである。
詩織の目の前に大きなポスターが目に入った。

「新規開業 副社長をはじめ、幹部候補募集 〜私たちは女性の美を徹底的に追求する会社です〜」
 これしかない! 詩織は早速、社会人経験者を募集していないか問い合わせた。返事は「経験者の方は特に歓迎します」であった。
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2013/02/23(土) 23:43:29.00ID:FgK6/bM/
藤崎詩織 35歳 Bパート

 鏡魅羅35歳……かつて、容姿のせいで酷い失恋を経験し、一時期は男性不信のようになった。
幼い兄弟を抱えながら貧しい生活を送り、それを悟られないように、気高く振舞うことに必死だった。
だが、高校時代に出会った、とある男性との交流をきっかけとして、彼女は本来の自分を取り戻すのであった。
 高校卒業後、その美貌を生かし、モデルとして活躍。生活は見違えるほど改善された。
だが、女性が美を保てる時間は短く、そして維持するのには多大な労力を要することを、彼女は一番わかっていた。
ずるずると三枚目のおばかタレントして生き残る道を捨て、モデルとして旬が切れないうちに、惜しまれながら引退。
 その後は、有名な化粧品会社やアパレル系の会社に入って、経営のノウハウを学びながら、弟たちを進学させた。
 一家の長としての役割を終えた彼女は、今までの自分の人生経験を生かすため、自分の蓄えと人脈、そして立派になった弟たちからの援助をもとに、会社を立ち上げたのである。
その名も、「株式会社ミラーデス・コーポレション」である。
 化粧品や服飾品、エステ、美容院、健康食品など、女性の美に関する事業について手広く扱う会社である。
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2013/02/23(土) 23:50:54.98ID:FgK6/bM/
 学生時代の彼女の成績は壊滅的ともいうべきものであったが、それも日々の生活に追われて勉強どころでなかったことが大きい。
決して彼女自身が頭が悪いわけではなかったのである。そして苦労人でもあった彼女は実に人身掌握術や交渉術に長けていた。
だからこそ、経営者としては申し分なかったものの、いかんせん、法や経済の専門知識となると話は別だったのである。
 副社長候補をはじめ、幹部候補生の大々的募集。
 彼女は情に流されない部分もあったため、決して自分の弟や親戚縁者を役員に取り入れるようなことは考えなかった。
むしろ、自分の人生とは違う道を歩んできた賢者を手広く募集し、場合によっては三顧の礼を尽くして迎え入れる覚悟だったのである。

「社長、三次面接の合格者が決まりました。こちらの5名です」
「ありがとう……下がっていいわよ……あら?これは……」
「藤崎さん……」
 鏡は何かを決心したように、窓の外を見た。窓には夕日に反射して、「美しい私の顔」が映ってた。
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2013/02/24(日) 00:13:40.26ID:0q51tHRo
藤崎詩織 35歳 第7話

「藤崎詩織です。よろしくお願いします」
「どうぞ、おかけ下さい」
 詩織の最終面接が始まった。試験官は社長である鏡魅羅と、外部から詔勅した人材派遣会社役員などの試験官総勢7名である。
 外部試験官からの質問に、詩織は淀みなく、そしてスマートに答えていく。
 筆記試験はトップ通過。経歴も申し分ない。まさに将来の幹部候補としては申し分ない人材であった。
ただ一つ、履歴書に貼ってある写真がずいぶん昔のものではないかと思うほど違っていた一点を除いて。
 ちなみにこの点については、わざわざブサイクな替え玉を用意して望む人間はいないだろうとのことで、難なきを得た。

(この調子、この調子、バッチリだわ!(電球3つ点灯)……この調子でいけば合格間違いなし)
(あと、残すは中央の社長だけだわ。ここが肝心。ここで社長に気に入ってもらえれば私も晴れて副社長候補よ!)
「さて……藤崎詩織さん……」
「はい」
 ついに魅羅が詩織に問いかけた。どんな質問が来るのだろうか?
「弊社社長の鏡魅羅と申します……お久しぶりね、高校時代以来かしら……懐かしいわ」
「え…………」

 詩織の中で電撃が走った。鏡魅羅……そんな名前の人間、この日本に2人といない。
そして、高校時代は、自分と鏡、それとあと一人誰だったか思い出せないが、とにかくその3人で男子生徒の人気を3分していた。
まさにきらめき高校内三国志状態であった。あと一人の名前はにわかに思い出せないものの、鏡の名前は特に覚えていた。
「あら……忘れちゃったかしら……確かにあれからもう20年近く経っているのですし、無理もないわね……」
「……す、すみません……」
 鏡魅羅は、仕事に私情をはさまなかった。そのことは弟たちを役員に取り立てていないことからも明白だった。
しかし、鏡は、かつてのライバルが今職に困っているということ、そして、その原因が有名な紐緒博士・伊集院グループの一連の事件のせいだとわかっていた。
 だから、今回に限っては、詩織が他の試験官の眼鏡にかなう限りは、自分は何も試さずに副社長として取り立てるつもりであったのだ。
同情ではない。詩織の能力を認めたうえでの決断でもある。
 しかし、それを許さない者が一人いたのである。詩織だ。
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