午前8時半、会社のあるビルの入口で、バカトーはいきなり会社名が刻んであるプレート板を、こぶしで何度も叩いた。「この会社が私の人生を搾取したんです!」。
そして首にぶら下げている「入館カード(security card)」を取りだしてこう言った。「私を雇い止めにした総務部の最後の言葉は『最後の日にこのカードを返してください』のたった一言でした。
このカードぼろぼろでしょう。私みたい...」と絶句した。本当にすり切れていた。職場に入退室するたびに長い間使ってきた「入館カード」だった。

「壊れたコピー機を取り替えるの一緒。バカトーは人間じゃない。脳は故障中で治らない」