クリス「……雨」
ショウコ「雨だね……電話しようかな……いいや」
クリス「お兄ちゃんに……いいや」
ショウコ「……リムのお兄ちゃんって、血繋がってないんだよね」
クリス「? そうよ」
ショウコ「……たまに、変な風に感じたりしないの?」
クリス「どういう意味で?」
ショウコ「うーん……男の人として」
クリス「それは、お兄ちゃんは男の人で私は女の子だもの。
親子でも、兄妹でも、完全に相手の異性を排するのはできないんじゃない?
いくらお兄ちゃんでも、見るもの見ちゃったら恥ずかしいじゃない」
ショウコ「……じゃあ男の人として見たりしないの?」
クリス「……血が繋がってない男と女は、恋に落ちなくちゃダメ?」
ショウコ「あ……そういう意味じゃなくて……。
……でも、ちょっと羨ましいかも。普通の兄妹より、よっぽど深く信じあってるよね」
クリス「でもあれで酷いところもあるの。私そっちのけで女の人助けに行ったり。
……でも、それでもお兄ちゃんを信じてるな。ショウコ、コウタのこと信じてる?」
ショウコ「信じてないなんて、そんなことあるはずないよ。ショウコだって、もっともっとお兄ちゃんのこと信じてるよ」
クリス「そ。信じて正解だったみたい」
ショウコ「?」
コウタ「ヘックショイ! ……雨で濡れたか噂でもされたか。やっぱりここか。傘持ってきたぜ」
ショウコ「……」
ぎゅっ
コウタ「こ、こら! ひっつくな!」
ショウコ「えへへっ、お兄ちゃん大好き」
コウタ「なんだなんだ……」
クリス「じゃあね、ショウコ。私は雨が止むまでまってるから」
ショウコ「うん、またね」
クリス「……ふぅ、早く止まないかな」
ジョッシュ「リム、ここだったか。だから、傘持って行けって行ったろう。ほら、この傘でよかったか?」
クリス「……お兄ちゃん」

ジョッシュ「ウェントスは相変わらずか?」
クリス「うん、元気だよ。それでね、この前美味しいエクレアのお店がね……」