>>66
−−「さや侍」は松本さんにとってどんな映画でしたか?
 1回は映画らしい映画を撮らなくてはいけなくて、通過しないといけない道だった。
それが「さや侍」だった。それができたので、これからは好きにやろうかなと思っている。
映画を壊したいという思いがあって、どうやったら壊せるのかを常に考えている。
(映画を)壊すためには「さや侍」も必要だった。でも、頭の中は4本目の映画のことで
いっぱいだから、「さや侍」について語るのはしんどい。

 −−今までの3作品で「壊し」きれなかったのには何か阻むものがあったのでしょうか?
 社会にいる人間として、やりたくてもできないものがあって、アーティストはそういう
ものと闘っていかないといけない。僕にも、どこまで壊せるのかという思いがずっとあった。
テレビでも“笑い”を壊してきたという自負がある。テレビにはスポンサーがいて、視聴
者がいて、放送コードがあってっていう“ルール” があるわけだけれども、映画はそれ
よりもルールがないので。もっとできるんじゃないかなって思う。