>>203続き

キャラクターがこのような衣装を着ることを想定して、振り付けが行われたのかが気になりました。こういう事故を避けるために、モーションキャプチャをする際は、同じサイズと重さの衣装を付けてモーションキャプチャをするべきで、それならダンサーの頭が重くなり、現実的に踊れない踊りは踊れません。
映画えんとつ町のプペルができるまで展(これは見に行った方がいいです)で、スコップというキャラクターのモーション参考を、西野さん自らがアクターとして撮影した時のお宝映像の展示がありました。
スコップは鉄の甲羅のようなパーツを背中にしょっているキャラなのですが、西野さんもダンボールで作ったダミーの甲羅を背負って、モーションの参考を演じていました。これは、スコップが甲羅を背負っていることによって、関節の可動域が限定されるから、西野さんもダミー甲羅を背負って演じているです。
それと同じことをダンスシーンでもやった方がよかったということですね。

更に、全員が同じ動きをするシンクロダンスであるという点も、違和感を増幅させている大きな要因です。そもそも、CGアニメーションにおけるシンクロダンスは演出効果が低いと思います。
バブリーダンスのような大勢の人間が動きを合わせるシンクロダンスの感動ポイントは、大勢がバッチリ動きを合わせるために猛特訓をしたんだろうな!という感動がダンス演出の本質的な狙いだと思います。
特にバブリーダンスの場合は、高校生が学校生活の合間にここまで頑張ったというところが感動の中心地ではないでしょうか。
つまり、シンクロダンスは、生身の人間が演じていることが前提の演出であり、CGアニメーションでは、大勢のキャラがただ同じ動きをしているだけに見えてしまいます。

また、大勢が同じ動きをすることによって、個々のキャラクター性が死にます。このシーンには色々な衣装のキャラがいましたが、現実では衣装が違えば可動域や体の重心が変わるので、当然踊り方にも影響が出るはずですし、男性女性でも動きに差が出ると思いますが、ほとんどのキャラがほとんど同じ動きになっているように見えました。いや、シンクロダンスだから、同じ動きになっていないと成立しないんですが。