>>940続き)

で、そのオンライン配信の内容なのですが、
「どこかの一公演を撮影したものを、オンラインで流す」のではなく、
実は、オンライン配信用に、お客さんを入れずに、公演するんです。
客席にカメラのレールや、クレーンカメラなどを置いて、合計7台のカメラで、撮影します。

その撮影日が「今日」なんです。
ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』の初日の翌日が、
いきなり「休演日」になっている理由がそれで、今日は、バッキバキに撮影する日なんです。

でも、これって本当に大事だと思っていて、舞台って、
「チケット代×客席数」で作られるので、予算の上限があるんですね。

それで、事足りていれば、何も問題ないのですが、実際は、
「舞台セットを作りこむお金がないから、プロジェクションマッピングでのりきる」とか、
「キャストに稽古代が支払われない」とかが当たり前になっていて、
予算問題を後回しにしているツケは確実にあるんです。

誰かが、泣いているんです。

僕は、舞台役者をやっている友達も少なくなくて、彼らが背負っている痛みをよくよく知っているので、
「好きなことをする」と「生活に困窮する」がトレードオフになってしまうのだけは絶対に嫌なんです。
彼らには守らなきゃいけない家族もいるので。

なので、キチンと予算の問題とも向き合いたくて、今回は「オンライン配信」をガッツリ作って、
「チケット代×客席数」の「客席数」の部分の上限を取っ払うコトにしました。

単純な話、公演が終わっても、僕が「オンライン配信チケット」を手売りし続ければ、
舞台セットをゴッリゴリに作り込んで、キャストさんの稽古代を毎日支払ったミュージカルが、
どこかのタイミングでペイできるので。