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■メディアで求められるアドバイスは、現場では通用しない

皆、誰でも知っているようなことをやらないから、やった方がいい。

たとえば、ライブの集客に悩んでいる人ならば、チケットが入っているカバンを四六時中首からブラ下げて、
呑んでいる時に「それ何?」と言われた時に、
「今度、ライブをやるんですけど、チケットが売れてなくて…」と話して、そこでチケットを手売りした方が、
「何もしないよりもイイ」ということは誰でも分かっているけど……、
じゃあ、実際にそれをやっているアーティストって、どれぐらいいますか?
いないですよね。誰でも知っていることを、誰もやらないんです。
 
それに対して、「やりましょうよ」というのがコンサルで、
それを話すと「そんなことは知ってるよ」という感想を持たれてしまうのが講演会です。
なので、コンサルをさせていただく時に、大技を求めて来られた方には、時々ガッカリされるんです。

でも、僕のまわりにいる経営者の方って、誰一人として大技を繰り出していないんです。
基本的には「凡事徹底」で、「誰でもできることを、誰よりもやる」というスタイルです。
 
なので、講演会に参加したり、ビジネス書を読んだり、こういった音声メディアに触れる際は、
「大衆向けの発信は、パフォーマンスが含まれている」という前提でいた方がいいと思います。
 
時々、メディアに登場している、よく分からない経済評論家みたいなのが、
「こういう時は、こうすればいいんです」みたいなことを言っていたりするんですけど、
現場の人間からすると嘘ばっかりで、「じゃあ、お前、お客さんを100万人呼んでみろよ」と言ったら、全員、下を向くと思います。
 
…いや、違うな、今の話、着地がちょっと経済評論家さんの悪口になっちゃった。
そうじゃなくて、言いたいのは、「メディアで求められるアドバイスがあるけれど、それは現場では通用しない」という話です。
経済評論家さんは悪くありません。ごめんなさい。
 
「誰から話を聞くのか?」というのも大事だけれど、環境が発言内容を決定づけるので、
「どの環境で話を聞くのか?」も大事だと思います。参考までに。  (終わり)