>>609続き)
 
二人だけじゃないですよね。
お客さんを含む、関係者全員が完走したいと心から願っていました。
昨日、海老蔵さんともお電話させていただいたのですが、本当に悔しそうにされていました。
僕も、本当に悔しいです。

ただ、舞台は、お客さんならびにキャスト&スタッフの安全が第一ですから、こればっかりはどうしようもない。

 
■皆さんのおかげで、見たかった景色を観ることができました
 
今回は、チームの皆にとって、本当に大きな挑戦でした。。
 
守るものも大きい伝統の世界ですから、今回のような企画が最初から安易と受け入れられるハズはないことを、
皆、承知でやっていたんです。
「たくさん批判が飛んでくるだろうけど、それも全て受け止めよう」と。
覚悟していたんですね。
 
全ては、高齢化やコロナで客離れが進んでいる歌舞伎界をなんとかする為です。
やり方が合っているかは分からないけど、それもこれも、やらなきゃ分からない。
なので、手探りで前に進みました。
 
そういった覚悟で臨んだ舞台だったのですが…
 
幕を開けてみれば、新橋演舞場の客席には、子供から、若いカップルから、お爺ちゃんお婆ちゃんまで、
全ての世代が来てくれていて、連日(本当に連日)大盛況で、終演後はカーテンコールが5回も6回も起きて、
ついにはスタンディングオベーションが起きる始末。
 
僕も2回、観に行ったのですが、帰りに5〜6歳の男の子が客席ロビーで、
ご両親に向けて「見栄」を切っていて、歌舞伎役者の真似事をしていたんです。