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■プペル歌舞伎は本当に大きな挑戦
 
新作歌舞伎『プペル ~天明の護美人間~』は昨日、千秋楽を迎えるハズだったのですが…
冒頭申し上げたとおり「新型コロナウイルスの影響で公演中止」という運びとなりました。
 
公演は、あと1日だったので、「苦渋の決断」とはこのことで……
ですが、僕たちエンタメ畑の人間の活動というのは「お客さんやスタッフの安心安全があってこそ」なので、
いろんな気持ちを押し殺して公演をとりやめることに決めました。
 
公演を楽しみに待ってくださっていたお客様には、あらためてお詫び申し上げます。
(※公演中止に伴うチケットの払い戻しの詳細は松竹さんのホームページでご確認ください)
 
そんなこんなで、『プペル ~天明の護美人間~』の千秋楽は、
まさかまさかの僕一人で迎えることになったわけですが、
会場に行ってみると全然一人じゃなくて、会場に来れるスタッフさんが集まってくださっていて、
そして、当日のお知らせだったのにも関わらず6,000名を超えるお客様が配信で見守ってくださいました。
その時、海老蔵さんは本当に愛される作品を作られたんだなぁと思いました。
 
同時に、僕なんかが、この作品の幕を閉じるのはお門違いも甚だしいとも思ったのですが、
公演中止に伴う痛みが少しでも和らげばいいなぁという考えのもと、ステージに立たせていただきました。
 
昨日のオンライン配信イベント終了後、海老蔵さんともLINEでお話しさせていただいたのですが…
歌舞伎のお正月公演に、今回のような企画を持ってくるというのは、本当に大きな挑戦だったんです。
古典作品をやって、最後に「お年玉」的に新作をやるのではなくて、新作だけで一本の公演をするというのは、
相当の覚悟がないとできません。
 
でも、海老蔵さんには、その相当の覚悟と、その覚悟を引き出すだけの危機感があって、
個人的には、そんなに重たいものを彼一人に背負わせるわけにはいかなくて、
可能な限りサポートさせていただきました。