>>699続き)

「お前のことなんて待ってねーよ。鶴瓶師匠の話を聞かせろよ」
と思っているお客さんの前に出ていって、パフォーマンスをして、
「ああ、鶴瓶師匠の持ち時間が減っちゃったけど、ただ、今のは面白かった」
と納得してもらう戦争なんです。

でも、現実問題、こないだまで高校生をやってた若造が、
「タモリさんを待っているお客さんの前で、タモリさんの持ち時間を奪って、納得させる」
なんて無理ゲーもいいところじゃないですか? 技術も、引き出しも、何もないんだもの。

でも、ここで「自分が黙っていることが、皆の満足度に繋がる」と決め込んでしまうと、
自分が、そこに存在している意味がない。なので、何とかしなくちゃいけない。

僕の場合は、『いいとも』の入り時間の30分〜1時間前にアルタ入りして、
タモリさんがメイク室に行かれるタイミングで、メイク室に行って、隣に座って、タモリさんに話しかけました。
当然、手ぶらで行くわけには行かないので、2〜3日前から、『いいとも』のメイク室で話すネタを仕込むんです。
いろいろ調べて、タモリさんから飛んでくる質問も想定して、「その時に、どう返すか?」のシミュレーションもする。
会話が途切れたら終わりです(笑)

それを共演者全員にやるんです。
鶴瓶師匠が前の週に出演されたテレビやラジオを全てチェックして、「たまたま観た」みたいな素振りで、
「番組観させていただいたのですが、あれって、あの後、どうなったんですか?」
みたいに話を振って、そこで返ってくる答えを数パターン想定しておいて、
会話が一往復で終わらない準備をしておく。

本番前に、そのコミュニケーションを繰り返していると、ある時から、本番中に、
タモリさんや、鶴瓶師匠の方から、「こいつ、この前さぁ〜」とイジってもらえたり、
「西野はどう思ってんの?」と話を振ってもらえるようになる。
その瞬間に、「タモリさんが望んでいる」という免罪符をいただけるわけですね。

そこで、少しずつ少しずつ結果を出して、自分の価値をあげていく。