>>567続き)

その中には、「これは間違いない」というものもあります。
 
たとえば、ミュージカルじゃないですが、歌舞伎をやった時に最前列の「SS席」を3万円で出しました。
そうすると、チケットを買わない人達から「高い」という批判が起きて、
なんかニュースにもなったんですけども、ああいった批判は、絵本の無料公開の時と同じで、
最終的に自分の首を絞めることになるので本当にやめといた方がいいと思います。

くれぐれも自分の為に言っているわけじゃありません。
僕個人は、皆さんもいいかげんご存知だと思いますが、何を言われようがガン無視で前に進めるので。
僕のことは本当にどうでもよくて、皆さんが業界のことを本気で考えるのならば、本当にやめといた方がいい。

僕、こう見えて、意外と経済に強いのですが、これからの日本でエンタメを仕掛けていくのなら、
どう見積もっても、チケット価格に、これまで以上の差を作っていかないと立ち行かなくなる。
つまり、「SS席の値段を上げて、その分で、B席の値段を下げて、間口を広げる」
ということをやっていかないといけないんです。

こういうことをイチイチ批判して、それでまた4~5年出遅れて…は、もうそろそろやめないと、
日本のエンタメは本当にマズイことになります。
今のチケット料金の話に関しては「算数」の話なので、仮に、僕一人が「いいじゃん」と言って、
1億人が「それは違う」と批判しても、その1億人の方が確実に間違っています。

ただ一方で、いろいろと仕掛ける中で「算数」では片付けることができない…
なんというか、僕自身、確信が持てず、「これ、どっちかな?」と思いながら打っている手もあります。
つまり、「そんなのダメだろ」「そんなの上手くいくわけないだろ」という批判(反対側の意見)の方が
正しい時もあるんです。
なんか普段、偉そうにしていて、そこそこ空振りしてるんです(笑)

ですが、「本当に面白いもの」って、そういった「見たことがないところ」に埋まってるじゃないですか?
「このスイッチを押したら、こんなのが出てくるの??」みたいな(笑)
なので、決して計算することができない、「よく分からないなぁ」というところに飛び込んでいくのが楽しいんですね。