>>499続き)

「描き込み量の多い絵本なんて子供は読まねえよ」「ストーリーが長いっ!」と散々言われ続けたのですが、
ある日突然、「これがいいんだよ!」という声に変わりました。

『えんとつ町のプペル』を発表した時です。

僕は、苦労をしていない(=要領が良いヤツ)イメージを持たれることが多いのですが、
こと『絵本』に関していえば、大苦労人で、常人であれば10年間も売れなかったら、
とっくに辞めていると思います。
当時の自分に「それでも続けるガッツ」があったのは確かですが、それと同時に、
「まぁ、タモリさんが、ああ言ってたし、いつか僕の仕事も見つかるんだろうなぁ」
と楽観視していたのもあります。

いずれにせよ、絵本『えんとつ町のプペル』を発表した2016年10月21日に、
時代の針がガチャン!と合いました。

さて、話はここからです。

「時代は時計の針のように回るさ」というのであれば、今、自分に合っている時代の針は、
そのうち、次(2周目)に向かうことは避けられません。
きっと、そういうものなのでしょう。

ちょっと複雑な話ですが、時代の針が自分に合うずっとずっと前から、
その日(時代の針が次に向かう瞬間)のことと、その時の自分の心情は、想定していました。
「富や名声を知らない時代は耐えられるけど、富や名声を手放すことは簡単じゃないだろうな…」
と当時の僕は考えたのです。

つまり、「今の場所で芸を磨いて、時代の針が自分に合った後の自分は、
失うことが怖くて、時代の針を追ってしまうだろうな」と。
#伝わってます?
#頑張って