>>500続き)

せっかく1周目を耐え忍んだのに、2周目から時代を追い始めてしまうのも勿体無い話なので、
「時代の針が自分に合っていない今のうちから(俯瞰で判断できるうちに)ルールを決めておこう!」
と思い、「2周目以降も時代の針を追わない」というルールを自分に課せました。

■資産になるもの、ならないもの

きっと今の僕は2周目の入り口(※タレント活動をいれると3周目の入り口に)にいて、
当然、今後も世間のニーズをガン無視(※お客さんになった時の自分ファースト)で
創作活動を続けていくことになると思うのですが、
やっぱり歳は重ねてみるもので、ここにきて面白い発見がありました。

それは、これまでの活動の中で「資産になったもの」と「資産にならなかったもの」がある…ということです。

ここから先は、自分の中でもまだ話がまとまっていないので、少しボンヤリとしちゃいますが、
「とはいえ、(仕事の関係で)時代の針を追ってしまった過去のアクション」
に関しては、一切資産になっていなくて、
「時代の針をガン無視で作って、案の定、相手にされなかったアクション」
は、今になって光を当てられ(再評価され)、資産になっている。

僕と同世代の方なら、バンド『スピッツ』で、その経験をされたと思うのですが、
「『ロビンソン』(1995年)で知ったけど、“昔のスピッツ”もメッチャいいじゃん!」です。

『ロビンソン』より前に発売された『空も飛べるはず』(1994年)は、発売当初はオリコン最高28位でしたが、
1996年にフジテレビ系ドラマ『白線流し』の主題歌に起用され、
その後、再出荷(再発売)、そこからビッグヒットとなりました。

僕と同世代の人達の間では、「スピッツの過去のアルバムから名曲を探す」というのが
一つのムーブメントになり、その瞬間、スピッツの過去の楽曲が一気に資産化したんです。
掘り起こしたスピッツが(本当にイイ意味で!)変わっていなかったからです。
昔のスピッツが時代を追いかけ続けていたら、あのムーブメントは起きなかったでしょう。