>>87続き)

前作『映画 えんとつ町のプペル』は本当にたくさんの方(観客動員数196万人)に観ていただき、
そこからたくさんの経験と学び、そして、たくさんの出会いをいただいた。
何から何まで、感謝してもしきれない。


黒くて重たい煙に覆われ、見上げることを忘れ、「星なんて無い」と結論した町に向かって、
「誰か見たのかよ」と叫んだこの物語は、(みっともない話だけど)僕の経験が下地になっている。

もうほとんどの人が忘れていると思うけど、
僕には、やる事なす事、国じゅうからバッシングされ続けた15年があった。
「イジメられる側にも原因がある」と言わんばかりに。
まぁ、僕に関しては若干僕にも原因があったような気もするけど。

だけど、ただただ「面白いことをしよう」と言っただけだ。
「クラウドファンディング」など新しい選択肢が生まれる度に「皆、こんな方法があるよ」と言ってまわった。
そうすれば皆と一緒に走れると思ったから。
 
だけど、蓋を開けてみれば、たくさん石を投げられた。
詐欺師扱いされ、数の暴力に遭い、村八分に遭った。
親や、近くにいたスタッフが、とても悲しい目をしていたことを今でも鮮明に覚えている。

「どこかに僕と同じような目に遭っている人がいるのかな?」
いつからか、そんなことを考えるようになり、この痛みを記録しようと思った。