>>89続き)

[チャプター3:梶原雄太を待っていた日のこと。]

今日は、あなたに見ていただきたい(読んでいただきたい)物語がある。
それは、僕の中で、まだ決着がついていない(成仏させられていない)「もう一つの思い出」だ。

もう20年近く前の話。

┃まぁ、デビュー間もなくですね、実力がないまま
┃売れてしまったんです、キングコングというコンビが。
┃で、すっごいさぁ、期待値は上がるわけじゃない。
┃デビュー1年目で高卒のルーキーがさ、
┃いろんな漫才の賞いただいて、たまたまよ?それも。

┃で、メディアに出させていただいて、
┃「お前らナンボのもんじゃい」
┃「どんだけ面白いんだ」
┃っていう目で見られる。
┃ただ、自分たちは引き出しもないしさ、
┃で、スタッフさんとの関係も築けてないし、
┃共演者誰も知らないって状況で、
┃ホンットに高校出たての二人がですね、
┃よく分からない芸能界にポーンッて、
┃投げられるんですね。

┃でもう、全然対応できないんですよ。
┃売れて、「ヤッター!」じゃなくてですね、
┃毎日毎日どこ行ってももうボロ負けなんですね。
┃あとやっぱり、僻まれるし妬まれるし、
┃当時それも凄かったですけど。