>>236続き)

ネタを作る時間がないので(毎週2本の新作漫才と、毎月30本のショートコントを作らなきゃいけなかった)、
番組収録でロケVTRを観ている間や、それこそ漫才中に新作漫才を頭の中で作っていました。
突貫工事もいいとこです。

僕はたまたま「力でねじ伏せるっきゃない!」というモードに入ることができたのですが(勝ち気な性格)、
その一方で、梶原君はどこかふてくされているようでした。

「一つも得をしないからやめた方がイイ」と何度言っても、金髪ロン毛を貫く始末。
ネタ作りなどは一切せず、仕事終わりはパチンコと麻雀。
#何歳からグレとんねんww

「カジ(梶原君の相性です)…こんなチャンスはもう二度と巡ってこないから、
シンドイかもしれないけど、今は頑張った方がいい」
「カジ…今、僕らが乗っている波は、お笑い界で10年に一度あるかないかの大波だから、
ちゃんとネタ合わせをしよう」

「相方の言うことは聞きたくない」という若さも手伝って、言えば言うほど、ふてくされて、
梶原君の気持ちはどんどんお笑い(エンタメ)から遠退いていきました。

しかしまぁ、努力は嘘をつきません。
結果は残酷なほど正直に表れて、僕は少しずつテレビや舞台の立ち回り方を覚えていき、
少しずつですが先輩方の球を打ち返せるようになっていきましたが、
(今でこそネタにしていますが)梶原君はどの番組に出ていっても置物のように座ってるだけ。
せっかく話を振られたと思ったら、そのパスを引き受けずに逃げてしまう。

「ウケたい」というよりも「スベりたくない」という気持ちが勝っていて、
ついには「なるべく話を振られないように、司会者と目線を合わせない」という奇妙な技を身につけていました。