>>237続き)

繰り返しますが、「努力」というものは残酷です。
努力をすればするほど、結果が出なかった時に、自分の才能の無さを受け入れなきゃいけなくなる。

梶原君は「努力をしない」→「結果が出ない」→「さらに努力をしないことで、結果が出ない言い訳を作る」
という負のループにハマっていて、みるみる落ちこぼれていき、
ついには事前に渡しておいたネタを覚えてこなくなりました。

まだ若かった僕には、それを受け止めるだけの器がありません。
「お前が寝てる間に、お前がパチンコに行っている間に書いたネタやぞ!せめて、覚えるぐらいしてこいっ!」
と思っていました。

気がつけば、コンビの会話は無くなっていて、話すのはネタ合わせをする時ぐらい。
一度僕が梶原君のパートをやってみせて、
「これを、そのままやって」という(プライドを傷つけるような)ボケの渡し方。

それでも漫才コンクールに出れば優勝していたので、
(まったくもって不毛な)コンビの上下関係ができあがってしまいました。

今ならなんとかできましたが(そもそも梶原君がテレビでスベってるの面白いし)、
当時は僕もいっぱいいっぱいで…

それから、梶原君がネタを覚えてこない日は、日に日に増えていきました。
ネタ番組の収録10分前になっても覚えていなくて、「もうアカン、もう無理…」と僕の隣で呟いています。
とっくに壊れていたのでしょう。