>>66続き)
 
「一緒に◯◯まで行こう!」と約束をした日の僕らは目的地に向かうまでに味わう痛みを想像できていなくて、
その痛みに「耐えられる人」もいれば、「耐えられない人」もいて、
「こんな目に遭うんだったら辞めます」というメッセージを、これまで、何度受け取ったか分かりません。
 
これに関しては、「思ってたのと違った」とか「たまたま耐性があった」とか「無かった」とか、
あとは「向き不向き」とか、「成長スピードや、欲の大きさが違った」とか…
そういったものが原因なので、誰が悪いわけでもありません。
 
ただ、胸中は毎回複雑で、というのも、約束をした日は、ずっと一緒に走れると思って、
一緒に遠くまで行けると思って約束をしたわけだから、「やっぱ、無理」「さようなら」と言われた時には
一抹の寂しさはあるし、何より、否定されたような気持ちになります。
 
そういった別れは、この世界に入った日からずっと繰り返されてきました。 
挑戦の規模を上げるたびに、ギアを上げるたびに、誰かが溢れ落ちていくんです。
 
その「誰か」というのは僕にとって大切な人で、そんな大切な人が溢れ落ちる可能性を孕んだ選択を繰り返して、
また一人また一人と溢れ落ちていくとこを見ていると、「俺、間違ってんのかな?」と考える夜もあります。
 
だけど、こればっかりは、大切なアイツも僕も間違っていなくて、エンタメ業界は毎日がオーディションであり、
終わりのないマラソンだから、当然、「溢れ落ちていく人」や「自分から離れる人」は出てくる。 
そんなことは百も承知で始めたわけだから、ここは受け入れなきゃいけない。