>>603続き)
 
ただ、そこに至るまでの「創造」は相手にされないことが多くて、そう考えると「創造」には、
「創造の谷」のようなものがあって、(僕を含め)多くのクリエイターは、この谷をなかなか越えられない。 
「創造の谷」で心が折れてしまうクリエイターさんも少なくありません。 

なんとなくイメージ分かりますよね? 
劇団でも、アーティストでも、芸人でも、「活動はしているけれど前には進んでいない」という
創造の谷を迎えていたりすることが結構あると思います。
 
あの原因を考えた時に、いくつかある原因の1つに
「創造と名乗ってはいるものの、結局は、今いるファンの共感を取りにいっている」
みたいなことがありそうな気がしました。
 
ここは難しい問題ですよね。
 
それこそ、『えんとつ町のプペル』という絵本を出す前に、実は絵本を3冊出していたのですが、
一部から支持されていたものの、正直、伸び悩んでいたんです。 
そんな中、最新作である『えんとつ町のプペル』を分業制で作ることを発表した時に、
アンチは勿論のこと、ファンからも「絵本は1人で作るもんでしょ」という感じで批判されまして。
 
ただ、僕は皆の意見をまとめて作りたいわけじゃなくて(共感されたくて作っているわけじゃなくて)、
自分が作りたいモノを作っているわけですから、勿論そういった意見はガン無視で「創造」に全振りで進めました。
そうすると、その先で、結果的にたくさんの共感が待っていたんです。
 
これはチョット出来すぎた話なので、やはり話半分で聞いてください。
 
ただ、あの時、絵本は創っていたものの、それが『創造』とは呼べないモノ
(身内の共感を取りにいっていたモノ)だったら、今は無かったような気がしてなりません。 
あの時、「あんたらのイイネなんて知らねーよ」と言えてなかったら、
その後に待っていた映画もミュージカルも幕張メッセも全部無かったような気がします。 
どこまでいっても「タラレバ」ですが。