>>73続き)

そういったものと今回の『テイラーバートン』が大きく違うのは、
映画館に来られているのが「演劇やお笑いライブを映画館で観る」と割り切っているお客様か、
「舞台を舞台にした映像作品を観る」という気持ちで来られているお客様かの違いで…
たとえば前者の方だと、映像の中の客席の反応と、映画館の客席の反応に違い(熱量の違い)があっても、
「でも、まぁ、これはパブリックビューイングだしな」と割り切れると思うのですが、
『テイラーバートン』の場合は、カメラ10台で撮影しているものだから、なまじっか映画やドラマのようでもあって、
「これは、パブリックビューイングだしな」では割り切れない。
 
「はたして、それが吉と出るか凶と出るか?」というのが昨日の上映会だったのですが、
結論を言っちゃうと、「かなり良かった」という感じです。
 
恐れていたような「チグハグ感」というか、スクリーンの中のお客さんと、
スクリーンの外のお客さんの摩擦のようなものは無くて、もちろん、
「これはパブリックビューイングだよな(生の舞台じゃないよな)」という感じはありつつも、
家で観るオンライン配信よりかは遥かに臨場感があって、ほんとに「お、これ、意外とイイじゃん」という感じでした。
 
昨日は上映前に僕がステージに出ていって、5~10分前説をしたのですが、
そこで「こういう風に観てください」という観劇方法をレクチャーしたんです。 
「新キャラが出てきたら拍手をする」とか。 
あれがイイ感じだったので、もしかすると、あの前説はマストかもです。
 
いずれにせよ、今回とれたデータは「ドラマのように撮った演劇は映画館でもイケる」ということで、
これは、これまで“劇場の総座席数が売上の上限となっていた演劇”の
(オンライン配信に次ぐ)大きな可能性だなぁと思いました。
 
もっというと、“映画館で上映することも”見越して演劇を作ると、より広がりが出てくるなぁと思いました。