>>752続き)
 
■交渉の場に「裁量権を持っていない人間」を送り込んじゃダメ

さて。今回からカンパニーの体制が少し変わりまして、僕は原作・脚本・演出の他に、
プロデューサーとして参加させていただきました。
厳密に言うと、ブロードウェイの大物プロデューサーをチームに迎えるまでの“繋ぎの”プロデューサーです。
 
やっぱりブロードウェイ村に入り込むには、ブロードウェイで力を持っている投資家と
プロデューサーをチームに迎えるのがベターで、そうなった時に
「力を持っているプロデューサーを掴まえるまでの、繋ぎのプロデューサーをお願いできないっすか?」
なんて言える人がいなくて、「だったら肩書きに一切興味の無い西野がやればいいんじゃね?」となりまして、
期間限定のプロデューサーに就任したわけですが、大切になってくるお仕事は、やっぱり「交渉」なんです。
 
日本人との交渉なんてしょっちゅうやっていますが、ニューヨークでアメリカ人相手に交渉する機会って
あんまり無いし、誰も教えてくれないじゃないですか?
なので、今日は、皆さんがアメリカで交渉することになった時の為に、
「僕はここを失敗しちゃったので、このへんを気をつけておくといいと思うよー」という話をしたいと思います。
 
まず、日本みたいに、交渉の場に、今回の決め事の決定権を持っていない人間を送り込むのは絶対に御法度です。
「一旦、持ち帰って、上司に確認します」なんてのは絶対にダメで、そんなことをしたら、
「この時間は何だったんだ!」「俺たちの時間を何だと思ってるんだ!オラ!」となっちゃうので、
交渉の場には裁量権を持っていない人間を送り込んじゃダメ。
 
なので、「お前、英語を話せるんだから、ちょっと行ってきて」なんて絶対にダメ。
「会話ができる」ということと「交渉ができる」ということは全く別物なので。