>>825続き)
 
■映画『えんとつ町のプペル』の製作総指揮って何をするの?
 
「製作総指揮」と言われても、一体何をやっているのかよく分からないですよね? 
ともすれば「名前貸し」のイメージすらあります。
 
大きな業界です。もしかすると、中には「名前貸し」の(作品のアイコンとしての)製作総指揮も
いらっしゃるのかもしれませんが、映画『えんとつ町のプペル』に関しては、先ほども申し上げた通り、
原作・脚本・主題歌を担当させていただいております。
 
加えて、そもそも『えんとつ町のプペル』という物語は、夢を語れば笑われて、
行動すれば日本中から叩かれた僕の経験が下地になっています。
 
余談ですが、劇中に、煙突掃除屋の少年「ルビッチ」が、ゴミ人間「プペル」に、
「僕と友達になってください」と言うシーンがあるんですね。 
友達の始め方としては下手すぎるじゃないですか? 
でも、これ、実際にあった話なんです。
 
僕が日本中から叩かれて、まだまだ一人だった頃です。 
夜、幻冬舎の舘野さんから「今、西野に会いたがっている男と呑んでいるんだよ」と連絡がありました。 
「日本中から叩かれている男に会いたがっている男って、どんな人だろう?」と思い、飛んでいきました。
 
店に着くと、ラーメンズの小林賢太郎さんがいました。 
彼は、「はじめまして」よりも先に、「僕と友達になってください」と言ったのです。 
聞けば、日本中から叩かれながら一人で踏ん張っている僕を、陰ながらずっと応援してくださっていたそうです。 

「ああ、この人も、僕と同じように一人になっちゃったことがあるんだな」と思いました。 
だって、友達の始め方が、あまりにも下手すぎるじゃないですか(笑) 
だけど、その下手さに小林さんの誠実さが表れていて、僕らの距離は、すぐに縮まりました。