>>938続き)
 
今、僕はニューヨークにいるんですけども、昨夜の映画の上映会&トークショーをもって、
無事に今回のニューヨークのお仕事が終わりました。(事務仕事は大量に残っています)
 
今回は映画のイベントと、ミュージカルの制作でニューヨークに来たんですけども、
まぁ、なんと言ってもミュージカルですよね。
 
先にミュージカルの目的地を明らかにしておくと、「トニー賞を獲る」です。 
トニー賞というのは、ミュージカル界のアカデミー賞みたいなやつです。 
やっぱりミュージカルを作るからには、ここはキチンと狙いたいです。 
せっかくなら「日本人、スゲーな」と思ってもらいたいじゃないですか。 
なので、チームの座組みも「トニー賞が狙える座組み」にしなきゃいけないんです。
 
ここからが「現在地」の話です。 

「『トニー賞が狙える座組み』って何なのよ?」という疑問があると思うのですが、
これは生々しい話、「クオリティーが高ければ良い」というわけでも、どうやら無さそうで、
キチンと「ブロードウェイ村」のルールで動かなきゃいけないんです。 
極端な話、「◯◯さんのお墨付きがないと、ここでは勝手なことはさせません」という
日本の田舎みたいなノリが普通にある感じです。
 
僕らのお家芸でもある「猛烈に喧嘩が強い友達同士で集まって、自分達でお金を集めて、
自分達の思い通りのものを作って、競合をブッチぎって、お客さんをガッサーと集める」が、ここではできません。
 
ちなみに。昨日、『Here Lies Love』というミュージカルを観てきたのですが、
この作品は劇場全体をクラブ調にしていて、それに合わせて録音された音源を流す予定だったのに、
「ブロードウェイでは1プロダクションあたり、19人の音楽家を雇う」というルールがあったので、
泣く泣く生演奏に変えたそうです。すごいルールですよね。
 
まぁ、とにかくブロードウェイは圧倒的に既得権益なので、
「ここでは、好き勝手にはさせないぞ」がたくさんあったりします。