>>139続き)

■『売れにくいけど良いモノ』を作って、時間をかけて届ける
 
で、「エンターテイメントを届けることで、たまたま手にしたこの影響力は何の為にあるのか?」
という問いに対する二つ目の答えなんですが、これは「『売れにくいけど良いモノ』を届ける為」だと思っています。
 
なので、「日用品ブランドを作りましょう」という話が舞い込んできた時に最初にスタッフの皆様にお伝えしたのは、
「『売れにくいけど良いモノ』を作って、時間をかけて届けましょう」でした。 
それは「影響力のある人」「影響力のある会社」じゃないとできない打ち手なので。
 
というわけで、保湿化粧水と保湿フェイスクリームを開発する時も、職人さんには
「『売らなきゃいけない』ということを一旦忘れて、必要な成分だけを入れて、
肌の健康にとって不必要な成分(セールスポイントとなるような成分)は徹底的に取っ払ってください」
とお伝えして、そうして出来上がったのが、COMET&WHINNYの保湿化粧水と保湿フェイスクリームです。
 
僕も毎日使っていて、旅先にも必ず持っていっている(手放せなくなった)のですが、
やっぱり、利用者様からの評判もメチャクチャいいんですね。
 
というわけで、今度は「COMET&WHINNYのシャンプーとトリートメントを作ろう!」という話が上がりまして、
「それだったら、お客さんの髪の悩みをゼロ距離で聞いている人に開発チームに入ってもらった方がいいだろう」
というわけで、僕がいつも通っている東京・南青山にある美容室『NORA』さんに全面協力していただく形で、
シャンプーとトリートメントの開発が始まりました。 
ここでも、やはり、「『売れにくいけど良いモノ』を作って、時間をかけて届けましょう」という大号令がかかって、
開発には、かれこれ10ヶ月ぐらいかかりました。
 
そして、一般発売が近づいたこのタイミングでクラウドファンディングがスタートしたわけですが、
クラファンがスタートしたワリには、西野は、あまり宣伝してなくなかったですか?
 
いくらブランドに対する信用があるとはいえ、やっぱり最後の最後、完成したものを自分で使って、
「本当にイイ!」と判断できるまでは、宣伝したくなかったんです。 
そこの信用のみで生きているような人間なので。