>>303続き)
 
なので、小説のように“想像する余白”を作っておかなきゃいけないそうなのですが、
とはいえ、丸腰で臨むわけではなくて、部分部分は「イメージの補助」となるようなモノを用意するわけですが、
たとえば、それが「衣装」だったら、【キャストに衣装を着せる契約】をしなきゃいけない。 
「ちょっと、こんな衣装作ってみたから、着てみてよ」は契約違反なんです。
 
そんな細かい契約が山ほどあるので、契約書もビックリするぐらい分厚いです。 
逆に日本は、「言わなくても、そこは分かるじゃん(察しようよ)」という文化なので、
ここまで契約が細かくないので、契約書もそこまで分厚くない。 

つまり、日本人は分厚い契約書に慣れていない。 
僕なんて、その典型なんですけども、まずは、そこで面を食らいます。 
いきなり、巻物みたいな契約書が送られてきて、「サインしてくれ」と言われるんです。
 
僕ら、そんな訓練してないじゃないですか(笑) 
僕らなんて市役所の手続きで気持ちがバキバキ折れちゃうのに、そんなもん比じゃないです。 
しかも全部、英語だし。 
だから、そんなのが送られてきたら、「怖いっ!」となって一旦、メールを閉じちゃいますよね。
 
でも、まぁ、違う国の人達とのトラブルをなるべく減らすには、それぐらい、いちいち契約をして、
ルールを増やさないといけないんです。
 
僕でいうと、「脚本を書いて、演出をしときゃいい」という話じゃなくて、
むしろ、それ以外のところにエネルギーを持っていかれる…という。 
ここで気が滅入っちゃう人も結構います。