>>440続き)

そう考えた時に作者が自問自答しなきゃいけないのは、
「そもそも自分は確かな『勘』を持ち合わせているのか?」
「確かな経験を積んできているのか?」
という部分です。
 
ご存知の通り、僕はいろんな業界を越境して、「いっちょ噛み」を繰り返していますが、
いろんな業界のクリエイターさん表現者さんを見て思うのが、皆さん、素晴らしい才能をお持ちなのですが、
「見ている量」が圧倒的に少ないんです。
 
もちろん、自分が所属している業界の動向(競合の作品)などはたくさんご覧になられているのですが、
一度、業界を跨ぐと「知らないっす」ばっかりなんです。
「面白いもの(話題になっているもの)があったら、ジャンル関係なく、とりあえず見る!」という
ハイエナみたいな表現者って、意外と少ないんです。

「ハイエナ」の流れで名前を上げるのは失礼極まりないのですが、
秋元康さんとか、ビックリするぐらい「知ってる」んです。
「あの作品、ご覧になられました?」と聞くと、大体、ご覧になられている。
鈴木おさむサンもそう。
 
そういう人が下した判断のことを『勘』と呼ぶと思っていて、繰り返しますが、
ほとんど何も見ていない人(情報が少ない人)の判断は『あてずっぽ』で、
そんなものに『タイトル』と『タイミング』を任せるのはあまりにも危険です。
 
本を出す時は「編集者」がいて、『勘』を持ち合わせている編集者のことを「良い編集者」と呼ぶと思うのですが、
そういう人に出会えたらならば、『タイトル』と『タイミング』は絶対に任せた方がイイ。
 
自分の経験値(情報量)を俯瞰で見て、そこの判断を任せられるかどうかも作者の実力だと思います。

(*終わり)