>>914続き)
 
ときどき日本のテレビで、「俳優の○○さんがブロードウェイを熱狂させています!」とか
「アーティストの○○さんがブロードウェイを熱狂させています!」みたいなニュースが流れますが、
あのほとんどは、お金を出して、ブロードウェイの劇場を借りて、
日本から日本人を呼んだり、現地でタダ券を配って、客席が埋まっている絵を撮って、
さもブロードウェイの民が熱狂しているかのように流しているだけで、
実際、ブロードウェイの人はそんなイベントがあったことさえ知りません。 
つまるところ、その俳優の「広告」や「ブランディング」です。
 
ネパールの方が日本の300~400キャパの劇場を押さえて、地元ネパールの方や家族や、
日本のネパール料理屋の関係者を招いてライブをしたところで、
僕らは、そんなライブの存在を知らないじゃないですか? 
それを「我らがネパールのアイドルに、日本人が今、熱狂しています!」とネパールで報道しているようなものです。
「してねーよ」という(笑) 
 
■ブロードウェイコミュニティーに入るのはメチャクチャお金がかかる
 
やっぱり、ブロードウェイに根を張って活動するには、ブロードウェイコミュニティーに入らなきゃいけないのですが、
そもそもの問題として、他国のコミュニティーに入るのって、メチャクチャお金がかかるんです。
 
まず「住む」か「通う」か、という選択を迫られるわけですが、大手企業の駐在員なら会社でVISAをとってくれますが、
表現者がおいそれとVISAなんて取れないんです。 
アメリカ進出を表明したウーマンラッシュアワーの村本君が、なかなかVISAをとれずに苦戦していたと思うのですが、
日本の漫才の番組でチャンピオンになった人ですら、そこで躓いちゃう。
 
VISAが無かったらコッチで働いちゃダメなので、観光で何度も来るしかないわけですが、
観光で来ている人をビジネスパートナーに選ぶ人なんていないわけで、付き合いはあったとしても、
それはどこまでいっても表面上のそれでしかありません。