>>956続き)

『映画 えんとつ町のプペル』の公開以降は、歌舞伎やミュージカルといった「クリエイティブ」か、
あるいは「海外案件」が僕のスケジュールのほとんどを占めていたので、
なんか、この感じ(皆で方法を探って、皆で試していく感じ)って、久しぶりじゃないですか?

世間からどう見られているか知りませんが、僕は、こと作品のクオリティーに関しては
「クオリティーでブン殴って、全員をブッちぎってやる!」ぐらいの超肉食獣なのですが、
その一方で、「一人勝ち」には全然興味が無くて、「皆と手を繋いでゴール」が好きなんです。

『キングコング』にしてもそう。
「梶原君を置いていく」なんて、ありえない。

そこに関しては「草食系」というか、「文化祭ノリが好き」というか…
成功も失敗も皆で分かち合って、「やったね!」とか「全然ダメじゃん(笑)」と言い合うのが好きなんです。
#そしてハイボールを呑む

手がける仕事が大きくなればなるほど、そして海外仕事になればなるほど、ここの共有は難しくて、
一抹の寂しさを感じていたのですが……
今回は皆さんとアレコレご一緒できそうで、「ああ、やっぱり僕は、こういうのが好きだなぁ」と思って、
今もちょっとニヤニヤしています。

今は紙の本が売れないことも、世間が「慰め系」「誤魔化し系」を求められていることも知っていますが、
そんなことは本当にどうだっていい。
それを承知の上で皆と一緒に試行錯誤を繰り返すのが楽しいんです。

これが終われば、また僕は作品制作にドップリだろうから、
今は久しぶりに巡ってきたこの「お祭り感」を存分に楽しみたいなぁと思っています。