>>14-15
ども、>>13です。(13はガラケーからのカキコ)
今自室の本棚から筒井先生の短編集『くたばれPTA』を取り出しました。
同書収録『女権国家の繁栄と崩壊』について少々長くなりますが説明します。

作中での女権国家に抵抗するレジスタンス達の会話に

「人工子宮が発明されたことで女たちが妊娠を嫌がり、育児をしなくなったため
女たちに革命を起こさせる時間を与えてしまった」

「女たちが出産・育児をしないのなら男たちが養う義務は無い。当然男たちは家を出て美人を捜し求める。
すると主婦たちがヒステリーを起こし、それが彼女たちを革命へと走らせた」
(ちなみに作中では美人やホステスなどの男性に媚を売る女たちが『粛清』される描写がある)

「弱い男性たちは女房とのセックスよりも精巧なダッチワイフを選んだ。女房たちはセックスのはけ口を求めて革命へと走った」

といった内容のものがあります。
これらの結果、女たちが革命を起こし政権奪取に成功。
一応選挙を行ったものの(男性には選挙権・被選挙権はない)実態は『女権党」の一党独裁になった。
しかし、『女権党政権』にまともな政治が出来るはずもなく
優秀な人材は男女とも『粛清』してしまったため、経済は疲弊、諸外国からは『非合法政権』とみなされてガン無視。
さらに権力のある少数の女が多くの『男妾』を抱え込むといった革命以前よりもひどい『格差社会』となったため
不満を募らせた女たちが女権国家のトップの女総理に「なんとかしろ」と詰め寄ったところ
女総理は「男たちを配給制にします」などというマリー・アントワネットの
「パンが無ければお菓子を食べればいい」レベルの発言に女たちはぶち切れて女総理を殺害。
彼女が首チョンパになって、女権国家は成立から僅か3ヶ月で幕を閉じる、という話です。

さすがは筒井康隆。とても40年も昔の短編とは思えない。