◇「女性専用車両」に思う日米のジェンダー論

噂では聞いていたけれど。
先日の日本出張時、初めて見ました「女性専用車両」。
( JRホーム床に書かれている表示を思わず写メして、NYの編集部に送っちゃいました。
“ホントにあったよ!” のテキストとともに )

在米期間が15年を超えた僕からすると、実際に目の当たりにしたら、やはりそれなりに衝撃でした。
(アメリカ人の友人に話しても、そんな車両が存在すること自体ジョークと思われて、結局信じてもらえなかったし)

もちろんこの国ではありえません。
セクハラの対象としてMTA(NY州交通局)が男性客から訴えられる可能性もあり得ます。
訴えられないまでも、男性が乗れない(もしくは、乗りづらい)というだけで男性乗客からのクレームが殺到するはずです。

僕が渡米する以前の日本での “セクハラ” といえばどうしても被害者イコール女性のイメージがありましたが
( 女性が加害者の場合は “逆セクハラ” とあえて “逆” という字をくっつけてたしね。
その時点でただの “セクハラ” はまだまだ女性が被害者だという認識なのだと思います)

「Sexual Harassment」の対象は、もちろん女性にも適用。
実際、この国では女性側が訴えるケースは統計によると全体の50%なのだとか。約半分です。
同性間での案件も少なくないこの国では、残りの50%を、女性から男性へのセクハラ、男性から男性へのセクハラ、女性から女性へのセクハラで分け合っている計算になります。

それにしても「女性専用車両」という現象をスンナリ受け入れる日本人男性は、寛容なのか、それとも無頓着なのか。
あるいはアメリカ人男性が神経質すぎるのか、それとも意識が高いのか。
車両ひとつで両国のジェンダー論を考えた次第です。