「CNN」の記事では、セックスセラピストでもある作家のイアン・カーナー氏は、
ある種のカップルにおいては合意の上での非一夫一婦制(consensual non-monogamy)
が健全な選択であると指摘している。
 カーナー氏はセラピストとして多くのカップルの相談に乗ってきたのだか、
残念ながら当然あり得るというべきか、カップルにはなっても高いレベルで
相思相愛にはなれない関係も少なくない。カップルとはいえ2人の間に
越えられない壁を感じている人も珍しい存在ではないのだ。
 こうしたカップルの場合、これまでなら浮気や不倫に走ったり、
最悪の場合は離縁に発展するケースが少なくなかった。しかし、
今は合意的非一夫一婦制の可能性を模索するカップルがあらわれ
はじめているということだ。つまり一応カップルの関係は結んでいるにせよ、
それぞれほかのセックスパートナーを自由に持てるという取り決めだ。

「一夫一婦制の“扉”を開けているグループが増えているように見えます。
もし最終的に非一夫一婦制を受け入れられない場合はあるにせよ、
単に拒絶するのではなく、多くのカップルが熟議を重ねた後に、
扉を開ける判断しています」と、セックス研究の第一人者である
心理学者のザーナ・ヴァラガロバ博士は語る。
現代のほとんどの社会では一夫一婦制が前提になっているが、
必ずしも全員に適した制度ではないことは、性的マイノリティの
人々の存在を見ても明らかだろう。

 もし非一夫一婦制の合意を結ぶことができれば、
そのカップルは2人の関係悪化をどちらであれ、耐える必要がなくなるだろう。
関係が続けられないような事態になれば、自然と別れることになるからだ。
DV問題や愛情はないが夫婦関係を続ける“仮面夫婦”問題などが起きる可能性も
極めて低くなる。つまり夫婦だけの“密室”がなくなるということだ。

 もちろん現在の家族制度を考慮すれば、社会に非一夫一婦制が
受け入れられることはまずないと思うが、現在の男女関係に起因する
さまざまなトラブルを考慮すれば、解決策を探る上での問題提起になりそうだ。
ttps://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170604-00010001-dime-life