岡口判事の分限裁判について (小倉秀夫, 2018/09/12)
https://note.mu/benli/n/nc250a284a9c3

 岡口基一判事の分限裁判に、同判事の代理人の一人として参加してきました。
 この事件は、構造としては単純です。
 裁判所法第49条は、「裁判官は、職務上の義務に違反し、若しくは職務を怠り、又は品位
を辱める行状があつたときは、別に法律で定めるところにより裁判によつて懲戒される。」と
定めています。これを受けて、裁判官を懲戒する手続について、裁判官分限法が定められ
ています。つまり、裁判官の懲戒については、裁判所法第49条が実体法、裁判官分限法が
手続法ということになります。
 今回、東京高等裁判所長官は、岡口判事が、@裁判官であることを他者から認識できる
状態でツイッターのアカウントを利用し、A犬の返還請求に係る民事訴訟についてのツイー
トを行って、Bその民事訴訟の原告の感情を傷つけたことが、裁判所第49条に定める懲戒
事由にあたるとして分限裁判を申し立てました。これについて、最高裁は、岡口判事の上記
行為をもって「品位を辱める行状」とする趣旨で東京高等裁判所長官が分限裁判の申立を
したものと理解する旨を明示しました。だから、本件分限裁判の主たる争点は、岡口判事の
上記行為が「品位を辱める行状」にあたるといえるのかに絞られたわけです。

(以下省略)