小宮友根氏(東北学院大准教授・ジェンダー論)が高橋しょうご氏に反論

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>フランス人権宣言において対象が男性のみと解釈されたことに対し、
>人権は性別に左右されず人に備わるとしたのが大元でしょう。

フェミニズムの起源をフランス革命後の思想に求めること自体はそんな
におかしくないです。でもそこをそれだけで「現代のフェミニズム」を
批判することができる地点として参照するというのは思想史的には相当
におかしな考えです。

一番おかしいのは第二波フェミニズムがどっかいってることです。
一般的には、リベラリズムに還元されないフェミニズムの思想的重要性は、
「法の下の平等」が達成されても「女性の抑圧」がなくならなかったところで
「平等」とは何かを改めて問い直した第二波フェミニズムにあると考えられます。

具体的問題で考えても、DVやセクハラや性暴力といった問題がクローズ
アップされたのは、「形式的には平等な法のどこに問題があるのか」と
いう第二波フェミニズム以降の視点あってのことです。

「性別にかかわらず権利を」と言うリベラリズムの考えだけでは女性の
抱える問題が見過ごされてしまうことを認識しながらフェミニズムが
問題の啓発と解決に取り組んできた1970年代以降の歴史を無視して
フランス革命時に戻るのはそれこそ先人に失礼というものではないですか。

そしてその歴史に比べると、高橋さんのいう「現代の自称フェミニズム」
は正体不明で、よくある戯画化されたフェミニズム以上のものではない
ように見えます。真面目に女性問題を語るなら、230年前と現代という
無茶な対比ではなく、この50年の具体的な思想、運動、政治にもとづいて
ほしいと思います。

https://twitter.com/frroots/status/957810505522950146