1/4のカップルが妊娠期から愛し合っていない!?
小林:ベネッセ次世代育成研究所が夫婦300組に聞いた調査があります。それによると、
「配偶者といると、本当に愛していると実感する」割合が、妊娠期では夫婦ともに74.3%
で並んでいるのですが、2歳時期では夫の51.7%に対して、妻は34%にまで落ちこんで
いるんですね(「第1回 妊娠出産子育て基本調査・フォローアップ調査速報版」)。
これは「産後クライシス現象」とも呼ばれている現象です。

西内:そもそも4分の1もの夫婦が、「愛情がない」というのは、どういうことでしょう?

小林:女性の場合、子どもが欲しかったりすると、どうしてもタイムリミットを考えて
しまいますから、焦りもあって「ほどほどの相手」と結婚したりすると、そうなってしまう
かもしれません。

西内:そうなんですね...。私もアラサーなので、焦りで結婚するのだけはやめようと思いました。
そして、そもそも結婚願望はとくにないのですが、余計になくなりました。

小林:西内さんのように、「この本のせいで結婚したくなくなった」という人の声もありました。
この間知り合ったマスコミ業界の男性は、「結婚を予定しているんですが、本を読んで怖くなった
ので、考え直したくなりました」と言っていて(笑)。本の編集者によると、「結婚生活の
幻想を打ち砕いて、日本の少子化を進めようとする陰謀だ!」という意見までネットで出ている
そうです。もちろん、ずっと円満な家庭もありますよ。どのくらいいるか分かりませんが。

西内:でも、著書では「夫に死んでほしい」と思っていても「子供は好き」という妻がほとんど
ですよね。要は、結婚せずに妊娠し、子供を一人で産むことができるのならハッピーになるの
でしょうか。

小林:まだ今の日本では、社会制度だったり、職場の環境だったり、あるいは周りの視線
だったりと、シングルマザーには厳しい状況です。仮にそういったものが改善できたとしたら、
そのほうが幸せということにもなり得ますね。