シュナムルの文章はいいと思うぞ。

文才というと、読みやすくて論理的に明快な文章とか、
知的で格調高い文章を連想するだろうが、文才というのは、
それだけじゃない。

自意識が生々しくほとばしる系の文章をかけるのも立派な文才だ。
例えば、太宰治の斜陽で、主人公の弟は、生活能力ゼロなのに
プライドだけ高く、最後まで自己弁護を重ねたまま自殺するのだが、
その時に書き残した遺書は、読んでいるとこちらがこっ恥ずかしくなるような
痛々しさにあふれている。

ああいう文章を書けるのも、立派な文才だ。

漫画で言えば、唯我独尊をこじらせて肥大しきったた自己愛が
すさまじいばかりにほとばしる、刃牙の登場人物たちのセリフ群みたいなのも、
素晴らしい名文だと思う。

シュナムル氏の文才やスター性は、そういう方向だな。

世界的な文豪である、ドストエフスキーだって、スタンダールだって、
偉大であると同時に、とても痛々しいのだよ。