10、音楽について
  すごく良かった。とても90歳近い人が作ってるとは思えない出来だった。
  ただいくつか不満点も。海とラーミアの曲が「またか」という印象。
  海は毎回いい曲が多いので、オリジナルを聴きたかった。
  「海図を広げて」(DQ4)は一気に世界が広がる期待感をうまく表現した曲だが、
  DQ11は船を入手しても行ける所が限定的であり、あまり曲のコンセプトに合っていない気がした。
  ラーミアについては、「ケトス」自体がいい曲だったので、それが聴けなくなる点も含めて残念だった。
  フィールド曲について。
  最初に流れた時は、「村の皆に見送られて、広い外の世界に旅立つ若者」というイメージにドンピシャだった。
  ただ「追われる勇者」となってからは、勇ましいが故に違和感も付きまとった。
  それならば「導きの教会」以降はもっと寂しめな曲に変えた方が良かったと思う。
  その方がプロローグが終わって本当の旅が始まる、という印象もより強く持たせることが出来たのではないか。
  そしてロウとマルティナが加入して7人になった時点で、また改めて元の曲に戻せばいい。

11、堀井について
  NHKの特集で「全部を説明しなくても分かった気にさせればいいの。」と言っていたが、
  この説明不足こそが堀井の欠点であろう。
  イベントの場であれこれ補完している時点で説明不足を認めてるようなものだ。
  ゲームについて言うと、物語終盤であれもこれも詰め込み過ぎな印象を受ける。
  ドラクエと言えば発売延期が定番だったが、堀井自身がラストスパート型なのかもしれない。
  もう少し「引き算」の発想を覚えた方がいい。
  人間、富や名声が満たされてくる程に「引き算」が出来なくなると言う。
  政治家が何でもかんでも増税で解決しようとするように、金持ちになると力技が得意になる。
  だが満たされている状況でなお「引き算」が出来る人こそが、本当によく生きた人間と言うことが出来よう。
  堀井を見ていて気になるのは、集めても意味のない名産品(DQ5)、
  「おれにまかせろ」という意味のない作戦(DQ6他)、そしてAIの意味の無い行動(DQ11他)。
  こういうのを見るにつけ、
  RPGはリソースゲーム(数字のやり取り)というその本質から目を背けてるんだなと感じるわ。
  「過ぎ去りし時を求めて」昔の堀井に戻って欲しいわ。

※追加
  堀井もゲームの説明をイベントでするようじゃ駄目だな。
  あくまでゲームの説明はゲーム内でしないといけない。
  どこの世界でもそうだけど、時間が経ってからの発表は後付けや矛盾を生むだけ。
  スポーツでも何でも、メディアが終わった直後の選手にインタビューを試みるのは
  時間が経ってからだとその人の都合のいいように改編する恐れがあるから。
  今回の発表も結局は何の解決にもなってはおらず、多くの矛盾点を残す結果となった。