15の春、オレは家を出た。
遠足のしおりと、幾ばくかの小遣いを持って。

オレの通っていた中学には、中3の3月期にお別れ遠足があった。

行き先は当時現役の遊園地だった「としまえん」
しかも今回は卒業を控えた生徒達へのプレゼントか、
なんと男女混合で班を作ることができるというおまけ付き。

学校の行事で堂々と遊園地デートができるのだから、クラスの男女がはしゃがないわけがない。

中学の時オレのクラスには、発育の良い美人が多かった。

そんなだから女枯渇世代の中学生であるオレは、毎日心がサンバDEアミーゴだった。
(この頃はまだサンバDEアミーゴはなかったが)
元気ならぬ妄想爆発ガンバルガーだった。

「美人のアイツやアイツと同じ班になれたら…!」
オレだって勿論思った。

だが悲しいかな。
オレはオタクだった。
オタクが珍しくなくなった今の時代とは違い、
この頃は「オタク!?こっちくんな!キモい!」だった。

だから当然の如くクラスの女子達からは見向きもされなかった。
「機動戦艦ナデシコのユリカ艦長ハァハァ(ノД`)」
なんてやってるオレは「戦う交通安全」ならぬ「歩く放送禁止」だった

結局オレはクラスの余りもので構成された班に入った。
陰キャあるあるだわね。