■ノングレアの時代は終わる!

液晶と共にノングレアは普及した。
大多数の消費者はその低コントラストで発色の悪い白灰色の画面を当たり前だと思い込み始めた。
開発者ですらそうだった。
すべては実用性重視と、液晶技術の限界だと妥協していた。
毎年毎年、前年から全く画質の進化していないモニターを作り続けた。
そんな時代が10年続いた。

しかし観察力の優れた一部の消費者はこの10年間、その画質に疑問を投げかけ続け、受け入れなかった。
液晶(モニター)は10年前から何も進化していない、それどころかノングレアとIPSの普及とともに劣化している。
液晶はある低次元な一点へ向かって収束している。

しかし今、変化の第一弾が起ころうとしている。
「HDR」の掛け声とともに、再度グレアは復活する。
高輝度、高画質追求するHDRにとって、ノングレアは邪魔臭い古い技術なのだ。
業務用モニターを除いて、ノングレアは切り捨てられるだろう。

さらに近い将来、有機ELと普及と共にグレアは再度地上の平面を席捲することになるだろう。
無限のコントラストを持つ有機ELモニターにとって、コントラストを液晶並に下げるノングレアは完全に害でしかない。
消費者は「グレア+有機EL」という完成された画質を前に、ノングレアの画質を古臭い、古代の画質だと蔑むようになるだろう。

そもそもノングレアが許されたのは、もとからコントラストが低い液晶だったからだ。
低コントラストでモワモワした画面の液晶にとって、ノングレアは醜い女の顔についた泥に過ぎない。
誰も気に止めようもなかったのだ
それどころか液晶の限界を誤魔化すための一つの方便でもあったといえる。

この技術の過渡期にあって、ノングレアに縋り続けるのは開発者として無能と断言できるだろう。