(アリオルムナスが店で買って行ったのは卵とカップラーメン)
(店から離れ、人目につかないところまで行く。カップラーメンに「お昼はこれでも食べてなさい、蛇尾」と書かれた便箋を貼り)
スペース・ジェム、このカップラーメンを蛇尾に届けて
…後、あたしを蛇尾の実家まで送りなさい
(カップラーメンは蛇尾へのおもてなしだった。そして彼女は彼の両親にもおもてなしをしようとしていた)
(卵はどうも、そのおもてなしの材料だったようだ)

お邪魔します。牙千代の友人の、アリー・オ・ルムナスと申します
スイーツのおもてなしがしたくて来ました
あたしと茶飲み話でもいかがですか、お母様
蛇尾の母「まぁ、いつも牙千代がお世話になってるわ」
(アリオルムナスは偽名を使い、海外からホームステイしている蛇尾の友人を装って彼の実家に足を運んだ)
(彼女は魔術の修行の合間に、スイーツ作りの修行も積んでいた)
(初めは料理上手のつばさを見よう見真似していただけだった)
(しかし厳しい修行の甲斐あって、今の彼女は人の心を満たすプリンが作れるようになっていた)
(先程買った卵を使って、さっそく調理を始める)

(出来上がったプリンを蛇尾の母親と父親へもてなす)
(彼ら二人はプリンの味に心からの笑顔を見せる。アリオルムナスはすっかり蛇尾の両親と打ち解けた)
(話の途中でお手洗いを借りたいと言って席を外し…蛇尾の両親の目を盗んでマインド・ジェムを使った)
(十代がチクった蛇尾の悪行を、彼の両親の記憶から消す為である)
(スイーツ作りの修行も、蛇尾の実家に寄ったことも、全てはその為だった)
(何か企みがあるとは思えない程、アリオルムナスと蛇尾母、蛇尾父との会話は長く続いた)
(会話を適当に切り上げて)