しかし、能力が足りない人でも手っ取り早く目立つ方法がある。それは被害者になること。自分を悲劇のヒーロー、ヒロインにしてしまえば、多くの人が同情し、振り向いてくれる。悲劇の主人公になるには、被害を受けたと主張すればいい。そのストーリーさえでっちあげてしまえば、能力にかかわらず、誰でもスポットライトを浴びられる。

 イメージしやすいのは、STAP細胞の論文不正問題で一躍時の人になった小保方晴子氏だろう。不正疑惑を追及されたときの記者会見で、少しやつれていた小保方氏は「STAP細胞はあります!」と反論した。涙ぐみながら訴えるさまは、無実の罪を着せられた悲劇のヒロインさながらだった。ネット上の反応の多くは冷ややかだったが、なかには「かわいそうだ」「追いつめるな」という声もあった。ごく一部の人に対しては被害者ぶる作戦が功を奏したのか、相変わらず“信者”がいるようだ