温泉の匂い、緩やかな坂
雪景色と湯けむりの
漂うカフェの2階がねぐら
わたしの砦、間借りのすみか
結露のつたう窓からの
見下ろす町のそう遠くない
彼の砦、チンタイの城
スープの冷めない距離もがな
フローリングにネコくんと
一緒にくわえてるスルメのお皿
カッコつけて飲んでるお湯割りの
マグのとなりに寝転んで
ネコくんも一緒に探そう
彼を呼びつけて引き留める
嘘と口実、無実の魔法
だから晩餐はわざわざカレー

ジュリアナ農協~『温泉卵キャンパス』より、「カレーの日の勝負」