個人としての作家を考えるのなら、たとえば私人としての人種だの性嗜好だの考える必要があるけど、
一般に提出された作品というものを考えるのなら、それは作品そのものの内部で考えるべきものだよね

作家本人と作品はいっしょくたにすることは禁物、区別して考えなければならない
もしそれをいっしょくたにしてしまったら、作品というものは常に限定された、普遍性のないものにになってしまう
読者が何かを読み取っても、「いや、これは作者の住んでいた湖水地方の風土に特有の物で〜」「いや、これは作者執筆当時の第一大戦間の経済状況が分からないと理解しえないもので〜」
「「いや、これは作者の生涯を通じたデュオニソス願望をストレートに反映したものでそれ以外の解釈をするのは無理がある〜」

作者がそれを完成させ、他人の目に触れた瞬間にそれは、作者の手から離れ、それ自体で完結したものになる
その瞬間に作品=作者ではなくなる