弘明は、原っぱのなかの細い道を、むりにならんで歩こうとしたその少年を
いとおしく思った。
きれいな歯をちらりとのぞかせて笑いながら、雲のお家をたずねたその少女を
いとおしく思った。
親を、家族をうしない、ともに春の光のなかを歩いていくそのふたりを、
たまらなくいとおしく思った。

ここ、読みかえすたびに涙が出そうになる…