今の携帯ってアドレス帳で通話の発信受信時間と通話時間が記録されるだけじゃなく、
メールのやりとりの記録も表示されるんだね。

それで嫁がうそばっかついてたことがよくわかった。
春休みなので、今週末から子供と嫁が嫁の実家に遊びに行く。
来週末に俺が車で迎えに行く。
しかし連れて帰るのは子供だけ。嫁は連れて帰らないことに決めた。
嫁がそのとき着ている服と嫁の財布の中身のお金だけは嫁にやる。
後は全部実質的共有財産として持ち帰る。携帯も財布も家の鍵も。
電話番号とかメールアドレスとかを転記させる時間は与えない。
嫁の仕事ができなくなる?知ったことか。

猿の残り、スナックのマスターとは
「忙しい年末に、お店のヘルプをやらないかという依頼のメールがきて
それを断るために直接電話した」
と言い訳してた。
嘘だった。
去年の6月7月あたりはたしかにマスターからの着信があり、
それに返信した形になってる。
しかし、9月と11月は嫁の方から発信。
アドレス帳のマスターのページでは、メールのやりとりは皆無だった。

青色申告用にコンパニオンの仕事の内容をメモしたノートを見つけた。
一昨年の2月から年末まで、10回以上このマスターの店のヘルプをやってる。
どれも普通のコンパニオンの仕事のあとでそいつの店に行って2時間ほど。
ヘルプとして店に立つのはダメという約束は破られてた。
俺にはコンパニオンの延長があったと言ってたけど嘘だった。

このマスター、実は4年前に嫁に電話で告白してる。
2つ前の携帯のスケジュール帳にわざわざ記録してあった。
そんなヤツの店にヘルプで立つのもおかしいし、
嫁の方から連絡取るのもおかしい。

メールの着信履歴と通話履歴の発信履歴を見る限り、
今年はまったく連絡を取り合っていないようだ。
だからって嘘ついたのをなかったことにはしたくない。

でも責めたらどうせ
「収入を増やしたかったけど心配はかけたくなかった。」
「店に立つ仕事を入れたのはコンパニオンと違って
こちらの予定どおりに仕事ができるから」
なんていう嘘のいいわけをするに決まってる。
だから再来週嫁を置いてきぼりにする時には何も話し合わない。

嫁の携帯を奪い、アドレス帳のマスターのページを開き、見せる。
そのままポケットに入れてとっとと帰ってくる。

春休みだね。

嫁実家にきてる。そろそろ帰る。
嫁はいい娘だ。
そろそろ身体にガタが出始めた嫁母を気遣う姿は自慢できる。
嫁父母もいい人たち。
嫁のきょうだいも姪っ子甥っ子も俺は大好きだ。
しかし嫁がついた嘘は看過できない。
だから今回はいっしょに帰らない。
嫁の親父さんにだけそう伝えた。
嫁がついた嘘の内容までは伝えられなかった。
一歩間違ったらこんないい人たちまでも悲しませる内容だから
言葉を選んで伝えなきゃならないと思ったら
なんか言葉を選べなくなった。