ハイエク
「公的保護を得た者が、それを得られない生産者に対して行う搾取は、これまでの階級間搾取の中で最も残酷なものだ」

フリードマン
「労働組合は不要だ。なぜならば、ある労働組合員の利益を得るためには、他の労働者の犠牲が必要だからである」


『資本主義と自由』

ある職種なり産業なりで労働組合が賃上げに成功すると、そこでの雇用は必ず減ることになる。
これは、値上げをすれば売れ行きが減るのと同じ理屈だ。その結果、職探しをする人が増え、
他の職種や産業では賃金水準が押し下げされる。しかも組合は、もともと賃金の高い層で力が強いのがふつうなので、
結局は低賃金労働者を犠牲にして高賃金労働者の賃金が上がる結果を招く。
要するに労働組合は雇用を歪めてあらゆる労働者を巻き添えにし、ひいては大勢の人々の利益を損なっただけでなく、
弱い立場の労働者の雇用機会を減らし、労働階級の所得を一段と不平等にしてきたのである。

『選択の自由』

大半の労働者にとってもっとも頼りになる有効な保護者は、多数の雇用者が存在しているという状況そのものだ。
(中略)雇用者が労働者を守ってくれる場合があるとすれば、それはその労働者を雇いたいという意欲をもっている雇用者が複数いる場合だ。
(中略)もし、ある雇用者が十分な賃金を払わないならば、他の雇用者が喜んで払うといいだすだろう。
つまりその労働者が提供するサービスを手に入れようと、数多くの雇用者たちが競争することが、労働者にとってのほんとうの保護になる。