NHKはスウェーデン民主党(やフランスの国民戦線)について「極右政党」などとレッテル貼りをしていますが、ス民主党の移民政策は、別に過激とは思えません。

 スウェーデン民主党の公約はシンプルで、「スウェーデンをわれわれの手に取り戻そう」というスローガンの下、
「責任ある移民政策」
「安心で尊厳ある老後に」
「犯罪に妥協なき対応を」
 と、三つの重点政策を掲げています。三つめの「犯罪に妥協なき対応を」の中には、
重大犯罪や再犯への厳罰化に加え、「移民重大犯罪者の国外追放」が含まれています。

 つまりは、ス民主党は「移民排斥」を掲げているわけではないのです。
スウェーデンの社会福祉制度に、外国人が「フリーライド(ただ乗り)」していることを受け、
「税金を納めない移民のただ乗りを認めれば社会福祉制度は崩壊する」
 と、移民の受け入れを「減らす」ことを求めているに過ぎません。
また、「重大犯罪を犯した移民」は外国に追放するべきと訴えていますが、移民排斥を主張しているわけではありません。

 この程度の「移民政策」で極右呼ばわりされてしまうわけですから、現在の欧州が抱える病は重いです。
「移民追放」ではなく、「移民受入を減らせ」と主張するだけで、極右扱いというわけでございます。

 昨年の12月初旬、スウェーデン民主党は政府の予算案を否決することで、与党の中道左派政権を倒すことに成功しました。
今年の3月22日、スウェーデンでは何と半世紀ぶりの「解散による総選挙」が実施されることになったのです。何しろ、国民の65%が、
「移民が社会にうまく融和できていない」
 と、政府の移民政策にNOを突きつけ始めています。