中国で債務不履行急増 ゾンビ企業淘汰進まず
今期すでに3800億円、昨年の2倍

中国東北部、遼寧省大連。国有鉄鋼大手、東北特殊鋼の製鉄所では高炉や最新鋭の設備の運転が続き、
人やトラックが行き交う。だが同社は中国経済の減速に伴い、経営が悪化。今年に入り7回、
累計約48億元の社債のデフォルトを起こした。

それでも経営破綻しないのは大株主である遼寧省政府の意向だ。同省の1〜6月の域内総生産(GDP)は
マイナス成長に陥った。数万人とされる同社の従業員の受け皿となる産業は乏しい。
失業者があふれれば地元政府の失点となるうえ「破綻処理や経営支援は財政負担が重いため、
生かさず殺さずが続く」(金融関係者)。

中国ではデフォルトを起こしても、地方政府の意向を背景に国有銀行が取引を続けるケースが少なくない。
銀行側にも「地方政府が最後は支援に乗り出す」との期待がある。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM18H5C_Z10C16A8FF2000/?dg=1