奨学金破産について、昔とは前提条件が違う。

昔は、大学が少なくて、大学に行けば、そこそこ就職あったし、
そもそも同世代の2割も大学には行っていない。
しかも学習のできる層しか、大学入試には合格できなかった。

これが1990年代以降、規制緩和により私立大学が粗製乱造されて大学の底辺レベルが急低下。
不況がなくても、就職できない大学は多くなっている。
だから、そんな底辺大学には借金してまで進学してはいけないのだ

親世代の感覚からすれば、大学を出さえすれば、
よっぽどのことがなければ、「まともな就職」ができるはずだと思われがちだ。
保証人となっている方も多いのではないだろうか。
「まさかうちの孫が奨学金を返さないなどという馬鹿な真似をするはずがない」
このように思い、保証人になる方も多いことだろう。
繰り返しになるが、その背後には、「まじめに働けば何とかなるはずだ」という経験則がある。
だが、そうした前提は就職氷河期とともにもろくも崩れ去ってしまっている。
大学を卒業しても、非正規雇用が4割近くを占める。
正社員であっても「ブラック企業」が蔓延している。