北朝鮮が6日に同時発射した4発の弾道ミサイルのうち、1発がこれまでで最も日本本土に近い能登半島北方約200キロの海上に着弾したとみられることが9日明らかになり、
周辺海域を漁場とする石川県内の漁業関係者から不安と怒りの声が上がった。

 県漁協によると、能登半島北方約200キロの海域は、暖流と寒流が交わりスルメイカや甘エビなどが豊富な「大和やまと堆たい」(同約300キロ)の周辺の漁場で、
イカ釣り漁や底引き網漁などが行われている。

 県内に15隻ある中型イカ釣り漁船のうち、13隻を抱える県漁協小木支所によると、漁は6月から翌年1月にかけて行われ、
ピークの11月頃には大和堆の周辺にイカ釣り漁船のほか、底引き網漁船など北海道から九州までの国内の漁船約50隻が集まる。

能登町小木の漁師(58)によると、近年は北朝鮮からとみられる木造船や中国の漁船が来るようになり、多いときには約300隻の漁船が集中するという。
漁師は北朝鮮の暴挙に怒りをあらわにし、「漁の期間であれば被害があったかもしれない。安心して漁に出られるよう、国には早く何らかの対策を講じてほしい」と語った。

 志賀町の県漁協西海支所の小林稔統括参事(58)は「珠洲や金沢から底引き網漁の漁船が(日本海中央部に位置する)大和堆まで行っており、
まかり間違っていつどこに落ちて来るかわからず、非常に怖い」と話した。

能登沖を漁場とする漁船が集まる輪島港
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http://www.yomiuri.co.jp/national/20170310-OYT1T50005.html
2017年03月10日 06時08分