>>471
>F中性子線の発生量が多くなり、圧力容器や配管の中性子線による脆性劣化が早まる為、
について補足するのを忘れていたが、MOX燃料を使用すると中性子線の発生量が多くなるのは、Puの誘導核分裂
反応時に発生する中性子数が多いというのが主要因であるが、それだけではないのだな
どういう事かというと、新品のMOX燃料に含まれ、MOX燃料の燃焼によって幾らか増えると思われる238Puや240Puや
242PuやMOX燃料の燃焼に伴って新たに生成されるCmは、誘導核分裂と同等の中性子を放出する自発核分裂反応確率が
高いという事と、Puは241Puを除いてα崩壊が起きる確率も高く、α崩壊が起きた際に、α粒子と酸化Puを構成する
酸素原子が4He(=α粒子)+16O->16O-n-3Heという反応によって中性子を生成・放出してしまうのだな
238Puや240Puや242PuやCm等の自発核分裂核種は、ウラン燃料を燃焼する事によっても生成されるのだが、
ウラン燃料と違ってもともとPuを多量に含んでいるMOX燃料は、誘導核分裂反応時に発生する中性子数が多い事と
相まって、238Puや240Puや242PuやCm等の自発核分裂核種の生成が顕著となる為、使用済み核燃料の発熱量がウラン
燃料と比べて多くなり、発熱期間も長くなってしまうのだな
そして、自発分裂核種は一般的に派α崩壊核種でもあるから、結局、使用済みMOX燃料は使用済みウラン燃料よりも
自発核分裂反応と4He(=α粒子)+16O->16O-n-3Heという反応=16O(α,n)反応が盛んに起きて中性子が大量に
生成・放出され、使用済み核燃料を冷却している水の水素原子をより高次化し、より多くのトリチウムを生成
する事になるのだな
尚、トリチウムの危険性については、>>523を良く読んで理解してほしい